naka-maの心言・2

http://naka-ma.tea-nifty.com/butubutu/ 「naka-maの心言」続編です

江ノ電の風景(2)

さて、江ノ電の1980年頃の風景を鉄道模型レイアウトで作ってみようかな、と思ったものの、そう簡単にはいきません。なんせ、35年前の記憶ではレイアウトの線路、配線から始まって、工法、シーナリー構成などほとんど情報は当時売っていた唯一のNゲージ用雑誌(ペーパークラフトが主な記事)がたよりで、「鉄道模型趣味」誌は、そのころ一般的だったHOゲージの記事ばかりでしたから、足りないところは自己流でおぎなっていました。第一、小遣いで作るには、シーナリーパウダー(草や土を表現する粉末)ですら高価で、絵の具と鉛筆削りカスを使っていました

さいわいにして、江ノ電の小型レイアウトはいくつか作品が見つかりましたので、それらを参考にすることにするのと、結構100円ショップの材料が使えることがわかりました。ポスターカラーやアクリル絵の具は、プラカラーの代わりに安く手に入れることができます。なんせ100円で6色セットのアクリル絵の具が買えます。

レイアウトパネルベースも昔は木材を買ってきて、自分で作りましたが、市販品がありますし、シーナリー関係も、昔とは比べ物にならないほど種類が豊富です。ちょっと「大人買い」ですがそれでも車両の値段を考えればまあいいでしょう。フルスクラッチした場合の手間と時間、なにより出来映えを考えれば。

ということで(自分とかみさんへの言い訳でしかありませんが;)、着手。
まずは、昔の写真を引っ張りだしましたが、やはり模型のために写真は撮っていませんでしたので(爆)、現在の江ノ電のロケハンから。

やはり鎌倉高校前駅をメインに、意外に撮っていなかった海側を見に行きました。まだ8月でしたので水遊びがてら電車好きの下の男の子と一緒に。



日坂、鎌倉高校前の交差点もこうしてみると小さいです。ずいぶんきれいな道になりましたがね。



海に出てみます。七里ケ浜では海水浴は出来ません。意外に夏でも静かです。
こんなに草が生えているのですね。




護岸コンクリートは、そうとう痛んでいます。補修の跡が多い。昔はどうだったか知りませんが、もともと塩害のひどいところですし、そもそも国道のために無理矢理埋め立てた訳ですから、美観など無視ですか。このイメージで行きましょう。

インターネットでまとめ買いした材料が届いたところで作業開始です。

レイアウトパネルベースは、900mm×600mmの市販品です。そこに発泡スチロールでかさ上げし、上にパーティクルボード(昔のベニヤ板より柔らかくて安い)を貼っています。これで海岸線を作ります。

レールは、大昔、横浜相鉄ジョイナスの中にあった唯一の鉄道模型屋(中学生のときここの展示レイアウトを見て鉄道模型をやる気になった)が1980年代に閉店になる際にセールで買っておいたフレキシブルレール(1mほどの長さで、自由に曲げられる)を大事にとっておいたものを使うので線路代はただ(?)。

でも駅は交換が必要なので、ここは小型レイアウトに最適なトミックス「ミニレール」用ポイントを使用することにしておきました。




グリーンマックストミーテックのシーナリー(建物や樹木)もあらかじめ作成して大体の配置を検討。



ロケをもとに、地形の作成。ゴミ箱から回収した発泡スチロールを芯に新聞紙でくるんで大体の形を作ります。このへんは感覚的にイメージを絵にするような感じで。




鎌倉高校前駅は、当然、屋根の小さかった頃のホームです。ホームだけグリーンマックスの対抗式ホーム。屋根は民家セットのトタン屋根、支柱は棒材から自作です。
要壁は紙粘土。100円ショップの紙粘土は種類も豊富です。ちなみに今では「文房具屋」が近くには無く、あっても高い。
道路はボール紙やプラ板。これも100円で数枚入りのがあります。




筆者のこだわりとして、「御霊神社」の鳥居の前を走る江ノ電を再現したいな、ということもありました。

トミーテックはトミックスの会社でもありますが、そもそもは「食玩(お菓子のおまけ)」や「ガチャポン(カプセル入りおもちゃ)」を手がけていた部門でしたが、鉄道模型天体望遠鏡の部門とで独立子会社になったのです。

で、この神社はなんと「建物シリーズ」として鉄道模型用にトミーテックから販売されているもので、塗装済みですから誰でも接着無しで組み立てれば完成です。昔は考えられなかったな。ちなみにお寺やお墓まで!あります。

樹木もこのシリーズです。もっとも材料を組み合わせただけのセットですが、木の幹とか葉っぱになる「フォーリッジ(スポンジの細かいもの)」を買うと分量が多すぎる場合、安上がりです。筆者は結局フォーリッジも買ってしまいましたが。

手前の建物もトミーテックのシリーズですが、これは中に何が入っているかわからない、いわゆる「お楽しみ玩具」です。たまたまこの平屋が出てきたのでここに置こうと思いますが、決してここにあるお宅がこう、というわけではありません。ですが鎌倉の町の特徴として、木塀が多いことがありますのでそのイメージではあります。




「はりぼて」の山の上には石膏を盛りつけて、これも彫刻細工の要領で、岩肌を作ります。これには昔、図工工作が好きだったことが役に立ちます。勉強で覚えたことより、体で覚えたことの方が役に立つのです!!;;。

着色は、ベースにやはり100円のスプレー缶で”アースカラー”を吹き、そこにポスターカラーで塗りました。あくまでパウダーやフォーリッジなどを撒く前の下地のつもりですが・・。

なんだか昔の怪獣映画に出てくる山岳地帯みたいです。ちょっと暗い色かな。
特に崖になって岩肌が露出する所のことは考えなくては。



どうせ「樹木」に覆われるんですけどね。
でもちょっと子供のお絵描きっぽくなっちゃったかな。もっと実際の自然の色彩は複雑ですから。(と子供にもよく言って聞かせていたことですから、これではいけませんね)



とはいえ、このレイアウトのために購入した江ノ電305の試運転は順調です。


実際の色がどうだったか、これはもう一度ロケに行かなくてはなりません。
腰越の崖を観察しに再び秋の江ノ電へ。
(以下、次号;)