naka-maの心言・2

http://naka-ma.tea-nifty.com/butubutu/ 「naka-maの心言」続編です

江ノ電の風景(3)

江ノ電小型レイアウトに着手してから、2ヶ月たった10月。まあ、休日の余暇としてやっているのでいいのですが、子供部屋を一部占領しているので、かみさんの方からそろそろ警告が入りそうでした。

時間がかかっていた別の理由は、あてにしているトミックスの「ミニレール」ポイントセットの発売遅延でした。鉄道模型は多品種小ロット生産の典型ですから、メーカーは一度生産した製品であっても、次のロットはなかなか無く、初回生産で打ち切るものも少なくありません。レール類はメーカーホームページに再生産情報が載っていて、このポイントセットも8月に予定がありました。

ですが待てど暮らせど、一向に入荷しないので、店に聞いてみると、中国の生産工場が景気悪化の影響で倒産し、別工場で生産するのに手間取っているらしい、というのです。中国の玩具工場の不況は、これを聞いた後、ニュースでも流れていましたから本当なのでしょう。
それまでの間は、駅周辺の作業は出来ません。


そこで、海側のレイアウトを先に進めることにしました。
それもあって、10月になってあらためてロケに行きました。特に、腰越、満福寺(ここは源義経が頼朝に嘆願状=腰越状を書いたときに逗留したことで有名)付近のカーブにある崖が、レイアウト上で再現するシーナリーとして欠かせないと考えたからでした。そのためにはこの崖の色、質感が重要です。



これが腰越のカーブにある崖です。
満福寺の看板がありますね。



鉄道軌道の横にこのような天然の崖があることは極めて稀です。
関東地方の地質は関東ローム層に覆われているので、崖に見える地層も赤黒い、鉄さびの色であることが多いのです。

しかし、この崖やその周辺に見える地層は、白っぽくて、固い岩石です。
表層にあったローム層が流されたのと同時に、この地形が隆起して出来たことを示しています。
もしかしたら富士山の噴火の後、隆起しているのかもしれません。
実際に関東大震災の時に江ノ島が隆起して地続きになったそうです。

というわけで、なんとなく関東地方の崖のイメージで塗った色は、茶色すぎたようです。もっと白っぽい色を調合して塗りましょう。




変わって、稲村ケ崎から七里ケ浜へ至る線路です。

江ノ電というと「路面電車」のイメージもあるかもしれませんが、それは大昔、鎌倉の小町へ乗り入れていた頃の話で、昭和20年代になってからは「軌道=路面電車」から「地方鉄道」に変わっています。ちなみにこれは大手私鉄である阪神電気鉄道よりも先なのです。

腰越商店街をのぞくと専用軌道だけの路線ではありますが、一部、道路と同じ高さを走ります。この写真はその一部です。家の玄関先に鉄道が走っており、そこを横断して道路に出るのです。ガードレールがありますが、全くついていない区間もあります。

この独特の雰囲気もいいですね。再現したいものです。



変わって、長谷駅から近い御霊神社です。
遮断機と警報機がついていますが、歩行者だけの参道にあります。
1980年頃にはどうだったでしょうか。写真に撮っていなかった((1)の写真は1990年頃)ので忘れてしまいましたが、近くの踏切は警報機無し遮断機無しの「電車に注意」だけあるものでした。
レイアウトにはこのほうがイメージに合うので、変えてしまいましょう。



比較的コンパクトな造りの神社ですが、基本に忠実な?造りです。狛犬さんもちゃんといます。
なんといっても鳥居に覆いかぶさる大きなタブノキが印象的です。これは何としても再現しなくてはなりません。



単線である江ノ電には交換駅が多数あります。江ノ島駅をレイアウトに再現されている方がおおくいらっしゃいますが、筆者は御霊神社に近い長谷駅でいきます。といっても、あくまでイメージです。この駅は古く見えますが、比較的最近建て替えられた駅です。もとは覚えていませんし、写真にもありませんので、適当です。お気楽にいきましょう。
ただ、この駅近くにある円柱型の郵便ポストだけは欠かせません。

いずれにしても、ポイントレールが来なければ、この駅と神社の側は完成できません。
まずは、海岸側を完成に向けて作成です。



ということで、塗装し直しました。同時に海も、木工用ボンドで作成しました。
シーナリーパウダーは最も安いトミックスを数種類まぜています。一部雰囲気を確認するため樹木に当たるフォーリッジとライケン(昔から鉄道模型に使われる天然ゴケ)も着けてみました。

道路は薄いスポンジシートを貼って、塗装することでアスファルトの質感を狙ってみました。これは工作しやすいのでよろしいのですが、継ぎ目がうまくいきませんでした。でも実際の道路もつぎはぎだらけですしこれでもういいかと。

砂浜には、パウダーに塗装したものを使いました。実際の七里ケ浜は浸食され、岩盤が露出しているところもあるのでその雰囲気にはちょうど良いかと思います。1980年頃はもっと豊富に砂浜があったと思うのですが。

国道の要壁は、一緒に下見した息子の手による塗装です。継ぎ接ぎのコンクリートのイメージが出ているのではないでしょうか。ほめると息子も満足げでした。

結局、トミックスの「ミニレール」ポイントセットは、12月の会社納めの日に発売になりました。筆者は会社納めを早めに抜け出し、友人との忘年会に行く途中で購入することができました。

正月休みに、かつてのレイアウト作成仲間である弟に見せるために、年内突貫工事で(ほぼ)完成したのでした。

完成した江ノ電小型レイアウトは次号にて;)