昨年末、ご紹介した「阪神電車のステッカー」を使ってみました。
もともと、このためにではなく、趣味で;)買っていた、阪神電車のNゲージ模型です。
トミーテックの「鉄道コレクション」シリーズのひとつ、阪神3301形。
同じ「鉄道コレクション」ですが、事業者=阪神電気鉄道販売の限定製品、阪神5201形5203〜。
ちなみにこれは今回のとは関係ありませんが、限定品阪神5201ー5202。実車もこの2両だけ作られたので、車体番号が印刷済みです。
で、以前書いたように、これが今回「ジオマトリクス」からの依頼で、筆者の写真が採用されましたステッカーです。ここに写っているのは、阪神武庫川線で単行運転されていた3302です。
で、このステッカーとは何かというと、正確にはインスタントレタリングで、鉄道模型の上記製品に使用するための限定商品です。
この阪神電車の鉄道模型は量産品ですから、同じ車両番号が印刷されています。そこで上から印刷されたナンバーを消して、新しいナンバーを転写する、というのがこのインスタントレタリングの使用方法です。
トミーテックの鉄道コレクションは厳密な意味では鉄道模型ではなく、ディスプレイモデルです。それをNゲージに改造するキットも売られています。台車やモーター、パンタグラフを模型用に交換できるようになっています。
ですが造りそのものは若干安っぽいのは仕方ないところです。今回はそのうち車体番号や社紋に注目、よりリアルにするものです。
まずトミーテック製品3301形の車体を見てみましょう。
番号は3303に固定されています。そして文字の大きさやフォントが実車とは若干違い、間延びした印象です。
社紋もこれはこれで見やすい印刷ですがやや大きすぎます。
先頭にも番号があります。この形式は両運転台なので前後に同じ番号があります。
で、これらのマークをインレタに置き換えたいのですが、従来もそのようなインレタはあったものの、既に付いている印刷を再塗装して消すには、大掛かりな塗装が必要ですし、正確に同じ色の塗料もありませんから、全体的に再塗装しなくてはならず、かなりの「マニア」でないと思い切って出来ませんでした。もともとの値段も高いですし。
今回のインレタの特徴は文字消し用のインレタ、つまり地肌色のマスク用インレタがあるので、これで印刷を覆ってしまいます。
インスタントレタリングは、上からこするだけで転写できます。
社紋は、インレタ上で地肌色の上に小型のリアルサイズの社紋が印刷されていますから、上から転写します。
正面も前後を転写。凹凸があって意外に難しい。
そのうえから新しいナンバーを転写します。今回は写真と同じ3302です。インレタ製品には実際に製造された番号が複数用意されています。
ただ、失敗すると予備に一個だけあるので、それで補うしかありません。
ちょっと今回のはずれてしまいました。
側面も仕上げるとこのようになり、3302号機になりました。
文字の大きさ、フォントも実車の写真撮影から起こしたとあって、リアルに出来ています。
こちらの鉄道コレクションは、ステッカーで文字を選択してはるようになっていたのですが、先述のように、ややチープなので、この製品のインレタを使ってみました。
こちらの番号は以前作っていた5201形(「阪神電車の風景」参照)と異なる番号です。
なお、阪神電車のこの頃の運用は、一両一両の単独走行可能な形式をばらばらに組み合わせて編成を組んでいたので、番号がとびとびでも気になりません。
ということでちょっとしたミニ工作で、実感の湧く改造が出来ました。最近の趣味工作は一から作るようなものよりも、ほとんど完成した製品にちょっと手を加えることで満足が得られるという手頃なものが人気ですので、このインスタントレタリングも時流に乗ったものでしょう。
ちなみにメーカーホームページによると、すでにこの阪神ステッカーは売り切れです。この間出たばかりなのにね。人気があったのか数をあまり作らなかったのかわかりませんが;)。