naka-maの心言・2

http://naka-ma.tea-nifty.com/butubutu/ 「naka-maの心言」続編です

木星2010年10月8日と撮影システム

10月に入って、ますます秋の良い天気が続いていたのですが、せっかくの連休が悪天候になってしまいました。この日は天気が崩れだす直前で、もう薄雲がかかってしまいましたが、シーイングはまあまあでした。しかし、28cmの口径を持ってしても、光量が不足して、ノイズが多すぎて微細な模様が再現できません。以前の口径でしたら諦めるしかないところでしたから、恩恵は受けているわけですが。

木星
撮影日: 2010年10月8日22時04分(JST
露出時間: 動画約30秒(30フレーム/秒)
撮影場所: 横浜市
望遠鏡: セレストロンC11(28cmシュミットカセグレン)、高橋90S
カメラ: ニコンP4、MOV、デジタルズームx約1.2、ニコン アイピースNAV-5SW
画像処理:コンポジット(約1000枚コンポジット)、ラプラシアンフィルター=Keiths Image Stacker、最大エントロピー法、マルチバンドシャープ=ステライメージ5
シーイング 5/10、透明度1/5

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この後曇ってしまいましたので、機材を片付ける前に記念?写真を撮ってみました。

セレストロンC11=28cmF10シュミットカセグレンを搭載したタカハシ90S赤道儀です。
バランスがとれないので、趣味人「延長シャフト」を使ってますがやや不足です。
アリ溝に対応するため、アリガタは天文ハウスTOMITAの「アリミゾマウントSP」。ところが90Sの赤緯微動部にある六角ボルトが干渉してそのままでは取り付かず、スターベース「ブリューナク」を間にかまして取り付けました。このためちょっとバランスがとりにくくなっていますが使い勝手は良好です。
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セレストロンC11の解像度は、正直に言うと期待してませんでした。シュミカセは過去にミード25cmのときに見えているようでキレのない像を見て、タカハシCN212に変えた経験があったためです。
しかし、趣味人から送られて来た鏡筒は予想外に(失礼、趣味人さん)よく見える望遠鏡でした。眼視だけでなく写真撮影も良いようです。
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一方、アイピースは以前紹介したように、ニコン天体望遠鏡アイピース「NAV-10SW」と「EiC-16」の組み合わせが撮影には良く気に入っています。
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「NAV-5SW」も撮影に好適です。これはシーイングの良い時の眼視用(本来の使い方ですね)にも良い性能が得られます。
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デジタルカメラニコン「クールピクスP4」を「FSB-4」を使って取り付けると、そのままで光軸が合います。バードウォッチングではやった「デジスコ」撮影ですが、もともと天体撮影のコリメート方式です。Webカメラなどパソコンをつなぐ必要がないので撮影が便利です。

眼視には「NAV-17.5SW」が良好です。倍率が上がりすぎないのでシーイングが悪い時にも良く見えます。ビクセン「フリップミラー」を介してますが使いやすいです。ちょっと光路長が長くなっていますが、球面収差の変動は気になりません。

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しかしこの方法は、最近デジカメの画像処理傾向が変わり、化粧の濃い画像が出てくるため、あえて古い機種を使っており、ノイズに苦労します。ハードウエアでのノイズリダクションだけ施した画像が後処理しやすい画像(動画)だと思うのですが、どのメーカーもそれは出さないようにしているようです。

木星は衝を迎えて観望の好機になりましたが、猛暑の夏が去って、秋のシーイングがどの程度になるでしょうか。