naka-maの心言・2

http://naka-ma.tea-nifty.com/butubutu/ 「naka-maの心言」続編です

特撮博物館

東京都現代美術館「館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技」がこの10月8日に終了する、ということで筆者も特撮好きとして見学記を書いておくことにしたい。 訪れたのは8月の暑い最中、上野の東京都美術館フェルメールの「真珠の耳飾りの女」を見に行った後だった。同じ東京都の美術館であるが上野からタクシーでもかなりの距離だった。 この「特撮博物館」は、アニメ「エヴァンゲリオン」監督の庵野秀明氏が発案し、副館長は、映画監督の樋口真嗣氏。企画制作協力については、スタジオジブリ鈴木敏夫氏が行った。 開催概要から引用 (ここから) 「エヴァンゲリオン」シリーズをはじめ、数々の作品でファンを魅了してきた監督・庵野秀明。その創作活動の原点であり、多大な影響を与えてきたのが、幼少期からこよなく愛してきた「特撮」でした。 円谷英二が始めた日本の特撮は、精巧なミニチュアで作られた町や山や海を舞台に、 怪獣やヒーローやスーパーマシンたちが活躍し、見る者をワクワクさせてきました。 しかし現在、特撮は、デジタル技術の発展と共に形を変え、その価値を見直す岐路に立たされていると言えます。それとともに、特撮の語り部であり、貴重な財産であるミニチュアや小道具などは、破棄され、あるいは散逸し、失われつつあります。 本展覧会は、特撮のこうした状況を何とかしたいとかねてから考えてきた庵野秀明が、 「館長」となって「博物館」を立ち上げた、というコンセプトのもとで開催します。 会場では、数々の映画・TVで活躍したミニチュアやデザイン画などさまざまな資料 約500点を一堂に集めて展示し、それらを担ってきた作り手たちの技と魂を伝えます。 そして、日本が世界に誇る映像の「粋」、特撮の魅力に迫ります。 (ここまで) 庵野秀明は1960年生まれ。美大在学中の1981年自主制作映画「帰ってきたウルトラマンマットアロー1号発進命令」で主演、監督。「風の谷のナウシカ」の巨神兵の原画を担当。この巨神兵を館内で短編映画「巨神兵東京に現わる」で実写特撮として見られる。 展示の内容は、主に円谷英二円谷プロダクションで使われたミニチュアである。 筆者も同世代として大いに影響を受けた特撮だが、1990年代には未熟だったCG技術がここにきて急成長しついに特撮のほとんどがCGになってしまった。たしかにバーチャル技術の進歩でリアリティは増した。しかし、昔の特撮の良さはもしかしたら、ミニチュアを壊して遊ぶ、という暗黙の了解のうえでの楽しさがあったのではないか、と思うのである。子供の頃、折角作ったブロック積み木や模型を壊したりしたときの「わくわく、ぞくぞく」とした快感が皆さんにも無かっただろうか。 その日本独自と言って良い伝統芸能の保存とも言える今回の展示であるが、約束事として写真は撮れない。しかし、うれしいことにオリジナルの「巨神兵・・」で使われたミニチュアセットを開放して、そこでは写真が撮れる。 ミニチュアを見ると、本当に良くできていて、まさに伝統芸能だ。これではコストに見合わないだろうに、好きでやってくれる技術者の熱意のおかげでここまで出来るのだろう。特撮と模型はつながっていると思った。 これはミニチュアの室内から外の景色を見た構図での撮影セット。この先に都会のミニチュアがあって怪獣が暴れるわけだ。 20120821_155007dsc_2591 ビルから見た俯瞰風景だが、、 20120821_154314dsc_2570 引きで見ると精巧な模型。 20120821_154316dsc_2571 一見、昭和の民家だが。。 20120821_154331dsc_2573 これもミニチュアセット。 20120821_154327dsc_2572 実際には見ることの無い景色も「リアル」。本当にあってはならないが。 20120821_154556dsc_2582 こんな記念写真が撮れる。砲撃を受ける親子連れ(笑)。 20120821_154825dsc_2589 ホリゾント(背景)が切れないよう、撮影所の天井まで空が描かれていたがこのように仰ぎ見る構図は難しかったそうだ。パソコンで塗りつぶした空だが雰囲気がでる。 20120821_154825dsc_2589p 外に出て実際の東京の景色もなんだか模型のようだった。 20120821_162121dsc_2594 やはり実体のある模型はいいなあ。