naka-maの心言・2

http://naka-ma.tea-nifty.com/butubutu/ 「naka-maの心言」続編です

阪神電車の風景レイアウト-3

Nゲージ鉄道模型のレールを現時点で選ぶとすれば、カトー「ユニトラック」かトミックス「ファイントラック」しかない、と言っても良いでしょう。従来は固定用レイアウトの場合フレキシブルレールだったのですが、これは自由に曲がるかわりに正確にカーブさせるのは困難です。今回は都市間鉄道なので複線が前提ですからなおさら面倒です。そこで奮発してカトーユニトラック複線線路を使うことにしました。 カトー製品を使うことにしたもう一つの大きな理由は、先述した分割式レイアウトの接合に適したレールが有るからです。 「スライド線路」20−050です。 これは写真のように長さを自由に変えることができるのです。 Hmimg_0515 購入した「鉄道模型ケース」のパネルは木製で、位置決めは何もありません。本来ならばここにほぞやピンを付けて固定できるようにするところでしょうが、実際に床においてみると、畳部屋だったこともあってとても正確に位置合わせ出来ないと判断しました。加えてもともとユニトラックは床に敷いて遊ぶためにある程度の「あそび」を許容したシステムなので、接合に融通を持たせることができ、工作精度も低くて良くなるからです。 この写真のように接続部にはすべてこのスライド線路を用いてトータルでの融通性を持たせました。 Hmimg_0506 ところが実際に仮組してみると、ユニトラックのジョイントは結構引き抜くのに力と「ひねり」が必要で、分割式レイアウトの分割時にレイアウトを破壊してしまう可能性が高いほどのものであることが分かりました。 そこで、下図のように、ジョイントの「爪」を切断して、そのまま差し込んだり引き抜いたり出来るようにしました。ジョイナーの中にある金属ジョイントはそのまま線路をつなぐので導通にも問題無いことは、かつて道床の無いタイプの線路でやったことがあったので分かっていました。もしこれを見て実施される場合、一応自己責任でお願いしますが。 Hmimg_0505 (左が純正の形で、青色矢印の爪を、右のオレンジ色矢印のところでカットしました) この作戦はうまくいきました。ただ難しかったのは、待避線のある駅のポイント配置がこの直線部を入れながら考えないといけないので結局設計図を変えざるを得なかったことと、高価な「スライド線路」の本数が増えて予算を逼迫してしまったことでした。 Hm077 いよいよ地形の作成です。 先述のように、超ローカルな「阪神電気鉄道魚崎駅」の周辺をモデルにしたレイアウトにしたいのです。その1の時の写真にありますが、この駅の特徴はその西端にある「住吉川鉄橋」です。 この鉄橋が単純なガーター橋であったことと、その直前直後に踏み切りがあったことで、高速で通過する電車を至近で見ることができて、その足回りまできれいに見ることができたのです。 ホームセンターでベニヤ板の端材を100円で、木片を10円で買って来たものを使って川底形状を作ります。 Hm088 普通の川ならば掘り下げなくてはいけないのですが、このようにレールを高架線のような高さに置いて、その下が川底です。これには神戸特有の地形が影響しています。 Hm099 阪神間、特に芦屋より西側の川は大変数が多く、六甲山から流れてくるのですが、山と海があまりに近く、急勾配のため、削りだした土砂がわずかな平野部に貯まって、天然の土手が出来ます。その川底が土砂の堆積で周囲より高くなります。海抜零メートル地帯のように、土手の外側の土地より川底の方が高いのです。 これを「天井川」と呼びます。 実際に天井川という川が魚崎ー青木(おおぎ)間に有りますが、阪神の駅はこのような川の土手部分にあることが多いのです。 このことから阪神電車は駅を発車すると川の土手を下って平地に下り、次の駅の直前で土手にむかって急勾配を登って駅に着きます。駅は魚崎駅のように川のそばか、芦屋、武庫川のように川の上に有ります。 写真下が土手の高さにある駅です。 Hm1111 地形を考えながら発泡スチロールを配置して行きます。 ところで、その下を走る線路はレイアウト都合で出来た線路で、実際に有るわけでは有りませんが、それが川の下に潜って行っています。 Hm1212 これは無理矢理川底にレイアウトしたわけでは有りません。 実際に住吉川の上流、JR東海道本線住吉川の川底をトンネル、というより川の流れる橋脚の下をくぐっています。このような川底をくぐるトンネルの最初のものは、住吉川の西隣の石屋川に(現在は有りませんが)、ありましたし、東隣の芦屋川は現在もその下をくぐり抜けています。このレイアウトはそれを意図しています。 また阪神電車は神戸三宮側は地下路線になっており、岩屋駅から地下隧道に入りますのでそのイメージでもあります。 右手の土手に向かって坂道になっています。実際、魚崎駅の入口まで走るのは大変です。 地平駅なのに高架駅のようになっているのがわかると思います。 Hm1313 このように、図面と現物を合わせ、修正しながらようやく線路の敷設が終わりました。 先述のように阪神電車阪神「平野」を走っている割に、急勾配が有るので実際の電車運転も大変ですが、レイアウトの方も急勾配で模型が脱線したり、勾配を編成が登りきれないことがないように、勾配やカーブを修正しながら作らなくてはならないので、そこが平面上のエンドレスレイアウトと大きく違うところです。このチェックが徹底していないと地形の完成が出来ないのです。 Hm1515 それでも実際の運転ではちょっとした凹凸で脱線したりしますのであとあとまで苦労させられます。 これでいよいよ地形を完成させて行きます。