naka-maの心言・2

http://naka-ma.tea-nifty.com/butubutu/ 「naka-maの心言」続編です

今さらNikonD800Eについて

今年もCP+2015が開催されます。今年の気になる製品はキヤノンの一連の製品で、EOS5Ds、5DsRが筆頭でしょうか。 このブログでは、2012年に、 デジカメローパスフィルタの行方・・CP+2012を見て(1) デジカメローパスフィルタの行方・・CP+2012を見て(2) デジカメローパスフィルタの行方・・CP+2012を見て(3) として、ニコンD800、800Eに関連して高画素、ローパスフィルタレスについて書いています。このとき、行き着くのは(ベイヤー配列なら)5000万画素、と書いておりましたが、三年で到達してしまいました。筆者は、35mmフィルムサイズでは、ここまでが光学的にもメカ的にも限界と見ており、運用上もこれ以上は必要ないと思っています。 カメラメーカーとしても今後はどう進化させるか、いよいよ思案のしどころになっているのではないでしょうか。メーカーには頑張って欲しいのですが、それはもう高画素の方向ではないので、目標が見出しにくくなっているでしょう。まあ、筆者はカメラについてまだまだユーザーの要求に答えていないところが多いと思っていますが、それはまたいずれ。 さて、三年前に発売されたニコンD800Eは、メーカーも「おそるおそる出した」ような製品でしたが、早くもモデルチェンジして、D810となった際に、ローパスレス一本になりました。筆者の「予言」どおり;)になったわけですが、気に入らないのが、結局D800よりも値段が高いままになっていることです。 もちろんローパスフィルタがなくなったと言っても、赤外線カットフィルタが必要なのはわかっていますが、それでもD800と同じ値段で出て欲しかったです。 NikonD810はミラー、シャッターショックによるブレを低減するため、内部構造を一から見直している、魅力的な製品ですが、値段の点と、初期に「白点問題」が露呈してみそがつきました。直ぐにファームアップで対応したので、それは良いのですが、「星」の撮影には、過去のニコンがノイズと一緒に星を消した前例があるので、ソフト的な処理にいまひとつ信頼度がありませんでした。 もっともそれも、今回の新製品、NikonD810Aで、天体専用カメラを出したことで、ベースとなるD810の性能の高さを保証して見せたことになるのですが。 なんだかんだいって、結局筆者は、NikonD800Eを購入しました。三年我慢するのは辛かった(笑)。 D800e 中古ですが、この時期、D810の下取りでタマが多いので、綺麗なものが手に入りました。 D800EとD810と比較してみると、基本性能はほとんど一緒です。 有効画素数:3635万画素で同じ。ただし低感度側ISO100→64。 AFモジュール:同じ コマ速:4コマ/秒→5コマ/秒(FX) 質量:900g→880g 画像処理エンジン:EXPEED 3→EXPEED 4(RAW現像なら同等画質) 他にバッファ増加、低消費電力 もっとも大きな変更点が、先述のシャッター周り変更ですが、筆者的には「電子先幕シャッター」が魅力です。ミラーアップならそれ以降は無振動でシャッターが切れるのです。(もっともなぜミラーアップ時だけなのか、なぜ通常のライブビュー時にも使えるようにしなかったのか) しかし、失ったものもあって、もっとも大きな点が、シャッタータイムラグが0.042秒→0.052秒に遅くなったのです。これでもキヤノンの最高級機EOS−1DX0.055秒より速いので文句は言えませんが。そしてD800Eはメイドインジャパンニコンさん、そんなに慌ててモデルチェンジしなくても良かったんじゃないの?D750の薄型構造、WiFi内蔵を見ると羨ましい。それも入れて欲しかったな。 ということで、積極的にD800Eを(筆者の使い方では)選びました。 さて、ここからはD800Eの画質チェック;)です。 なんせ三年待ちましたから、すでにやり尽くされ感がありますが、構わず行きます;) D800Eといえば、ローパスレス。ローパスレスといえばモアレ(笑)。という人の期待を裏切り、筆者の予想通りほとんど出ません。 この写真のどこかにモアレが(爆)。 20150131_124032fxn_6238p ここです。手すりのところ。これで等倍に切り取っています。写真の質に関係はない微細なモアレのために、いままでぼかしてたんですね。。枝のシャープさが違います。 20150131_124032fxn_6238s ちなみにレンズはニッコール50mm/1.8です。5.6に絞ってますが、開放絞りでも画像中央では同じ、周辺では収差があり、それだけでモアレは出ません。 筆者は過去のカメラでも重要視していたのが、通常撮影時のシャドー階調です。(たとえばこちら) このような見方は、RAW現像で階調を出したり、HDRで無理したりする「レタッチ耐性」を知ることができます。最近では有名な「dpreview.com」でも取り上げられるようになっています。 カメラに内蔵された画像エンジンによって高感度ノイズや長時間ノイズをうまく消してしまうのですが、このような見方では画像エンジンの出番がなくて、素のセンサー性能が見られるのです。 以下のような、筆者定番の鉄道写真で比較します。 20150211_123143fxn_6270 この線路上の影を、フォトショップCameraRawでRAW現像時「補助光効果」を最大に引き上げて、等倍で切り取ったものがこちらです。クリックすると等倍で見られます。 20150211_123143fxn_6270w うーん、素晴らしい。数年前からニコンはカラーノイズの消去に成功していたのですが、輝点ノイズも大幅に減っています。これは高画素化の効果も大きいでしょう。 これに対するのがキヤノン、と行きたいところですが、筆者に手持ちがないので、同じニコンニコン1V1です。 この写真から。 20150211_122758dsc_6840 影の部分を切り取りました。画素数が1000万画素なので大きさを揃えて切り取っていますが、クリックすると等倍比較ができます。 20150211_122758dsc_6840s ニコン1は1インチセンサですが決して小さすぎるわけではなく、ソニーなどが追従して、良いカメラを出していますが、肝心のニコン1は、一眼レフに遠慮しているのか;)、ノイズが目立つので有名です。 それでも意外に良いですが、やはり比較になりませんね。 実は、ノイズが少ないのはキヤノン、とずっと言われ続けてきましたが、最近では逆転されたようです。先述の「dpreview.com」でD750(D7000)とEOS5D3(7D)とが比較できます。 Nikon_d750_review__digital_photogra キヤノンのEOS5Ds、5DsRは、ローパスキャンセルの方法もD800,D800Eの関係と同じで、かなり意識しているようですが、はたして5000万画素の性能はどうでしょうか。筆者は「ビニングして1/2〜1/4」が本来の画素数と考えているのですが、D800Eを見てみると印刷も考えるとそのままの画素数で使いたくなりますね。そうすると画像の運用が大変ですから大きなストレージが必要になります。半導体ももっと発展してもらいたいです。欲は止まりません(笑)。。。