naka-maの心言・2

http://naka-ma.tea-nifty.com/butubutu/ 「naka-maの心言」続編です

NikonD810A

実は所有するニコンD800E、これは1年前に中古で18万円で買った、が「マップカメラ」で先月17万円で下取りしてもらえるというのと、ニコンD810Aが値下がり、と言っても32万円ですが、したので、カメラを交換する下取り購入となりました。 D810は以前話したようにD800からスペック上の進化があまりなく、地味な印象でしたが、D810Aの実力はどうでしょうか。 まずD810AはD810と何が違うかというと、「天体撮影専用カメラ」とニコンが言い切っているように、赤外線であるHα線という散光星雲などから発する赤い光が、通常よりも多く透過するフィルタが入っています。 しかし、カメラショーCP+で展示説明を聞くと、一般撮影でも十分良いとのこと、さらにD810Aの専用サイトにも一般撮影例が載っていて夕焼けにはむしろよく写っています。苦手なのはスタジオ商品撮影のように赤や紫などの赤外線の影響を受けて色味が変わることを嫌うものだけです。 カラーフィルムも実は赤外線に反応するので商品写真には補正フィルターをつけて撮影していました。一方、夕焼けだけでなく赤い星雲もよく写っていました。フィルムの種類によって使い分けもできたのです。 それがデジカメになって、商品撮影をするプロカメラマンの意見が重視されたのでしょう、どんどん赤外線カットフィルターの性能も上がって、本来持っている撮像素子の感光域を制限するようになったため、天体写真には向かないデジカメが主流になってしまったのです。 筆者は、この「天体撮影専用」と言っているD810Aの方が一般には良いカメラだと思うのです。記憶色の中でも赤みのある肌や夕焼けの方がウケが良いからです。逆に商品写真の方がプロなんですから色補正ぐらいお手の物です。 と、ぐだぐだ言うのも、通常のD810よりD810Aは数万円高いのです。同じ値段で売ってほしいなあ。 さて、D810Aの実力を見てみましょう。 まず、一般の風景写真の例です。赤外線感度が高い赤外線フィルムの場合、青空と遠景の風景写真が最も違和感がある=赤外線写真の特徴が現れる写真なのです。 結果は、青空と赤い屋根のコントラストとが違和感のない写真になっています。 20151128_100314dsc_0570_2 鉄道写真の例です。阪神電車です。車体だけでなくバックの紅葉の色も違和感がない、というより見事な色です。 20151122_093422dsc_0394 で、本ブログでおなじみ、今やDPreviewでも最近始めた、通常写真の暗部のノイズを見てみます。 上記写真の車両下の影をピクセル等倍で拡大し、トーンカーブで極端にあげています。 画像エンジンより撮像素子の性能が現れやすいところですが、今やキヤノンを超えています。 一方、このセンサーはソニー製と言われていますが、ソニーの最近のαシリーズを見てみると画像エンジンの性能が現れる高感度ノイズの部分がまだ劣るようですからニコンは以前の悪評を乗り越えて画像のバランスは最良のようです。 20151122_093422dsc_0394ps 天体写真で話題になる、暗電流ノイズを見てみましょう。 暗闇ではS/N比が低いので、ノイズがいかに低くなっているかが問題です。 D7000、D800E、D810Aを比較してみます。レンズキャップをして室温で30秒露光をし、RAW現像時にゲインを5EVあげています。 D7000p5 D800ep5 D810ap5 D7000はISO1600ですが、他はそれではあまりノイズが出ないのでISO6400まであげていますので注意。 D800Eも低ノイズで驚いたのですが、D810Aは別格です。D810も同じかどうかわかりませんが、少なくとも一見同じスペックの両機がまったく違うことは想像できます。 それと暗電流ノイズは赤ノイズというのが一般ですが、D810Aはそうではありません。 理由は、想像ですが、一般機種は赤外線カットしているので、画像処理時に赤をゲインアップしているのではないでしょうか。逆にD810Aは赤感度が高いので、他の色をゲインアップしてバランスを取っているのではないでしょうか。 この点からも、「天体撮影専用カメラ」と言っているD810Aの方が、実はフィルムカメラに近い一般機種のような気がするのです。