naka-maの心言・2

http://naka-ma.tea-nifty.com/butubutu/ 「naka-maの心言」続編です

変わりゆく東海道線電車2 湘南電車、特急

筆者は保土ヶ谷駅、東戸塚駅を長年最寄駅として使っていました。この駅は横須賀線しか停まらないうえ、昔は東海道線横須賀線は同じ線路を走っていたので東京方面に行くには横須賀線に乗れば先着しましたから東海道線の利用は藤沢、小田原方面に行く時くらいでした。

ただ父親の勤務先が平塚だったので、大船で乗り換えて通勤しており「湘南電車」は馴染みの思い出深いものです。

日常の風景というのは普段気にしないので、鉄道写真も近郊型車両はスカとしてあまり撮っていませんでした。それだけフィルムは貴重品でした。しかし、一編成だけになると珍しいものになるので、80系は小学生の頃も写真に撮っていました。

S80 

80系は国鉄においては中長距離を走るのは客車という常識を覆し、電車として急行、近郊型車両として1950年新造されました。一次車は正面3枚窓でしたが、二次車以降、特徴的な二枚窓になり、みかん色と共に「湘南型」を確立しました。

写真は1971年ですがその頃には東海道線京口では大垣東京間の夜行電車に使われるだけでした。寝台特急を父のカメラの残りフィルムを使って大事に撮らなくてはならないのでこの車両を撮るのは迷いましたが、この後80系は地方に行きましたから東海道線最後の姿になりました。

113系横須賀線の項で述べたとおりで、湘南色が先に登場しました。

当時の利用者目線で記憶しているのは、床が木から樹脂張りになり臭いが少なくなり、駆動方式が吊り掛け式という起動時にうるさい音、振動がする方式からカルダンドライブ方式という今も使われる比較的静かな方式になったことです。

ただ、1965年当時、阪神電車は全車カルダンドライブ、一部空気バネ台車、整備された標準軌の線路軌道も相まってとても乗り心地が良く、関西地区でも113系快速が走っていましたがとても対抗できるものではありませんでした。

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国鉄末期、1985年、突如登場した211系は今でも各地で活躍しています。

軽量ステンレス車体回生ブレーキボルスタレス台車など当時最新技術を盛り込んだ素晴らしい車両でしたが、利用者が最も感じたのは台車と車体をつなぐ枕バネに従来のコイルバネから空気バネに変わり、振動が少なくなったことでした。

車両としては私鉄に遜色がなくなった初めての近郊型でした。

この車両はデザインも良く、子供に買ったオモチャもこの形式でしたから、子供にも人気がありました。

 

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今、東海道線、高崎、東北線の東京口で見られる車両は、JR東日本E231E233系です。

E231系は通勤型と近郊型の統合形式として大量投入されました。

特長は、制御方式が従来の抵抗制御からVVVFになったことです。VVVFは交流モーターの電圧、周波数の制御プログラムを変えることで加速度が変更できるので、通勤タイプと近郊タイプを同じ形式でできるのです。

近郊タイプは2000年から宇都宮線高崎線に投入され、湘南新宿ラインとして東海道線横須賀線に乗り入れましたが、2004年から東海道線湘南電車として走り始めました。

ただこの車両は通勤電車としてはクセのないデザインですが、近郊型で見ると間が抜けた「食パン」デザインに見えます。

 

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E233系は2006年に中央線快速用として新造されましたが、やはり通勤タイプ、近郊タイプ共通形式で、東海道線には2008年、E233系3000番台として投入されました。

E233は2005年に発生したJR福知山線脱線事故を考慮して、車両剛性の向上を図っており、前面衝突強度もクラッシャブルゾーンを設けて向上しています。そのため前面デザインが食パンから改善されて格好良くなりました。

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ここからは数少なくなった東海道線特急電車について。

成田エクスプレスは1991年東京から成田空港アクセスの向上のため設定されて、253系が使われました。優れたデザインで人気もありましたが、出張でよく利用していた1990年代は普通車の座席は2x2対面ボックスシートで、乗り心地は良いものの、混雑している時は対面乗車で、後ろ向きに座ると残念でした。これは2002年の5次車からリクライニングシートになったようですが、筆者の出張先が中国になって羽田空港発着になり乗ることはありませんでした。

今は後継のE259系になって高運転台の格好良い特急型になっています。

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その他、急行「東海」が特急「東海」になって2007年まで走っていました。

80系153系によって東海道線には多くの急行が走っていましたが、新幹線の開業により激減、「東海」「ごてんば」「伊豆」が東京口に残っていました。153系、165系を使用して長く走っていましたが1996年に特急になり、JR東海の「しなの」などの特急に使用している373系になりました。今となっては横浜では見られない車両です。

 

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湘南ライナーは朝晩の通勤混雑改善のため全員着席の各方面で設定されたホームライナー東海道線にも1986年運行開始されました。

185系踊り子と同じ車両で運行され、1992年には二階建ての215系が導入されました。この車両は当初湘南新宿ラインにも使われて、はじめてのった時は、着席人数が多く、電動機が先頭車にしかないので静かで乗り心地が良い車両と感じました。ただ混雑時に乗降時間がかかり、ダイヤが乱れることが多かったと思います。子供の電車の絵本の表紙にもなっていて良いデザインでした。

湘南ライナーは特急「湘南」になって215系は廃車されるようです。

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通勤に使った普段何気ない車両もこうやって変わっていくのですね。自分の人生の大半を走ってくれた車両も自分の引退時期に併せて引退ということで惜別したいと思います。