5月も終盤になってやっと天気が良くなりましたが、天文屋にあるまじきことで星を見ていません;)。今日は暑いです。
太陽を撮影しました。
注意)太陽を直接望遠鏡で見てはいけません。この撮影は眼視用太陽望遠鏡コロナド社P.S.Tを用い、Hα線のみ使いコリメート法で撮影しました。
彩層面にはダークフィラメントがたくさん見えます。プロミネンスは大きいものはありませんが細かいのが見えています。
撮影は試行中です。今回プロミネンスに合わせてオーバーめに露出し、RAW現像時にさらにRは飛ばしてプロミネンスのみ使い光球側は暗くぬりつぶし、G,Bに漏れ出したHαによる彩層を炙り出しています。最後はフォトショップで彩層面とプロミネンスを分けて処理しています。
この時、彩層面はムラが出ていますがこれは太陽望遠鏡のフィルター特性で太陽面の光度ムラではありませんので、できるだけ目立たないように明度ムラを抑えて処理しています。
なお、一般的には人の目にはほぼ感度がないHα単色である(それでも強烈な太陽光では見えます)ので、赤色でプロミネンスを、黄色や赤色で彩層を擬似的に色付けするのですが、今回は今までと違う処理なのでフォトショップ処理後に出て来た色をそのまま使っています。青や緑の光を写したわけではないので注意ください。今後は一般的な擬似カラーにします。
2022年5月29日 13時13分(JST)
コロナド社P.S.T.、NikonNAV-17.5SW+TSA-1、Nikon D7000(IR改造)
1/30秒、ISO1000
*初出時、誤って鏡像にしていましたが、正しくは倒立正像でしたので画像を修正して、倒立像にしています。さらに先述のように今回は擬似カラーをやめています。(2022.5.30)
(擬似カラー)
翌日もまだ晴れていたので朝撮影してみました。少しダークフィラメントが消えました。ダークフィラメントは彩層から立ち上るプロミネンスを上から見ているものなので、プロミネンスが少し消えたということになります。
2022年5月30日 08時51分(JST)
コロナド社P.S.T.、NikonNAV-17.5SW+TSA-1、Nikon D7000(IR改造)
1/30秒、ISO1000
同時にこの処理方法でも良いか確認のため、露出を彩層面に合わせて撮影しました。この画像では赤(R)しか写っていません。緑、青(G,B)は感光していないのです。これが本来の彩層面のはずですが、上の比べてのっぺりして見えます。細かい粒状班のように見えるところはノイズが強調されているためにそう見えると言えますが、必ずしも一律なノイズではなく、白いプラーク(可視光だと黒点近くで見えない)の周りに沿う対流のように並んでいることから可視光のいうところの粒状斑、Hαで見ているので彩層面でのマダラ模様のように見えますから何もないわけではなさそうです。
太陽面のこれらの構造はまだ明らかでないことも多く、筆者の知識では説明できませんが、写っているのは確かなようです。
2022年5月30日 08時53分(JST)
コロナド社P.S.T.、NikonNAV-17.5SW+TSA-1、Nikon D7000(IR改造)
1/125秒、ISO1000
太陽はニコンD7000(IR改造)を使っていますが、D810AでもHαまで感度があるので映るはずです。撮影してみると、同じように写りました。実はD7000で写した時、表面に小さな黒点があるのでこれは撮像面のゴミかと思っていたのですが、D810Aでも同じように写っており、これは実際にあるものだとわかりました。逆にお互いに写っていないものはゴミだとわかりますから確認に使えます。
2022年5月30日 08時45分(JST)
コロナド社P.S.T.、NikonNAV-17.5SW+TSA-1、Nikon D810A(DXクロップ)
1/30秒、ISO1000
(擬似カラー)