映画「シン・ウルトラマン」を見てきました。
その前に筆者はかつて、円谷プロのウルトラマンシリーズにハマった一人です。受験生であった1978年の高校文化祭に「ウルトラマン」の影絵を上映しました。当時、ウルトラシリーズは一時休止の時期で、上映会では近所の小学生が詰めかけて大いに盛り上がったものです。筆者はこの企画のサブリーダーでしたが、脚本や原画を担当し仲間と受験勉強そっちのけで徹夜でやったのでした。影絵なので限界がありますが脚本は当時の社会情勢も入った壮大なものでした。
それで、「シン・ウルトラマン」、面白かったです。
以前、「シン・ゴジラはゴジラ映画か」 、「特撮博物館」で語りましたが、この映画は筆者と同世代の庵野秀明が企画、脚本を作っていて、なんだか先述の高校時代の影絵上映を思い出してしまいました。もちろん似ているなんて大それたことを言うつもりはありませんが、この映画の雰囲気はシンゴジラ以上にウルトラマンが好きなマニアの波長を感じますね;)。
「シン・ゴジラ」の後、庵野秀明に興味を持って、「エヴァンゲリオン」シリーズも見てみたのですが、こちらは正直、筆者の性には合わなくて、前半の面白さに対して後半は作者が力尽きた感が強く、さらに「シン・エヴァンゲリオン」は地球人類を滅亡させるひどい親子喧嘩に終わったのが残念でした。これはエヴァが庵野オリジナルなので庵野氏が好きにすれば良いのですが、一方、ゴジラはオリジナルが好きなファンがいるので、庵野秀明や監督の樋口真嗣も一人のファン仲間としてオリジナルを大事にした仕事をしたのではないでしょうか。
「シン・エヴァンゲリオン」を見た後なので「シン・ウルトラマン」が昨今のご時世から上映が延期になっていて、どんな内容なのか心配だったのですが、ウルトラマンの世界観を大切に発展させた映画になっていて楽しめました。
なんでも庵野氏は大阪芸大だったアマチュア時代、8mm映画で「帰ってきたウルトラマン(ダイコンフィルム)」を作成したそうで、今でこそ有名ですが、当時は一人のマニアに過ぎなかったはずです。それでもアニメで修行し結果を出して特撮に進出して夢を果たしているわけで、この歳になってわかるのは、ただ好きなだけではなく、会社を起こし、東宝や円谷に企画書を作成して承認され出資を受けて、初めて商業映画を撮れるわけで、それでもその仕事が好きなことでいられるのが大変なことだと思います。
先日亡くなった、特撮映画が好きだった伯父がウルトラマンの前番組「ウルトラQ」を見せてくれたことが筆者の特撮好きの原点でした。ゴジラは朝鮮戦争、ウルトラはベトナム戦争の頃、そして今、シンウルトラということになります。
子供がまだ小さい頃、カミさんが留守になると子供とウルトラマンのビデオを見たりしていて、二人の子供も社会人になった今も一緒に映画を見てくれました。今回の映画が過去のウルトラマンのシーンを織り込んだものなのですが、ほとんど判った様です。
ウルトラマンはまだこれからも続いて行くでしょう。