今日も快晴で気流も良さそうなので惑星撮影です。
昨日も撮影しましたが、あまりに気流が悪く早々に切り上げてしまいました。月惑星研究会に掲載されている同じ日の写真がどれもよく写っているので考えてみると、撮影開始の0時ごろ、まだ東の空低い木星はちょうど自宅の屋根上にありそこからの陽炎が大きく影響した可能性があります。そこで今日は1時ごろから撮影開始することにしました。ただこうすると睡眠不足がひどくなるのですが。
結果、予想通り昨日より遥かに良いシーイングでした。横浜特有の強い海風もなかったためかもしれません。
順調に撮影して、3時過ぎには切り上げることにしました。ところが撮影後最後の木星のコマをデジタル現像すると明らかに他のコマと違い、極めて精細部まで写っていました。もっと粘って撮影しておけば良かったのですが。それでも同じ光学系で写したとは思えないくらいよく写っていました。まずはそのコマから。
2022年7月31日(UT:30日) 横浜市戸塚区
シーイング5/10>9/10、透明度3/5
望遠鏡: セレストロンC11(28cmシュミットカセグレンF10)、Skywatcher AZ-EQ6GT赤道儀
カメラ:ZWOASI290MM(L、R、G、B)、ニコンEiC16=F34
キャプチャーソフト:FireCapture v2.7.1(Win)
画像処理:AutoStakkert_3.0.14(Win)スタック、RegiStax(Win)による画像復元、De-rotation(WinJUPOS (Win))後、 ステライメージ7(Win)最大エントロピー法、シャープ、RGB合成、LRGB合成、フォトショップ(Mac)、色、トーン調整
(RGB各)露出10msec、ゲイン380、30秒約3000枚>70%約2100枚、x3セットディローテーション
(L)露出10msec、ゲイン360、30秒約3000枚>70%約2100枚、x10セットディローテーション
02時50.4分(JST)
いつもなら青色が細部は写らないものとして諦めていましたが、このコマの青色は細部まで写っており、RGB合成だけでも絵になります。
(RGB各)露出10msec、ゲイン380、30秒約3000枚>70%約2100枚、x3セットディローテーション
長くなるので下の方にLRGB各色の写りの違いを書いておきます。
ここからは時系列の木星写真です。上のコマに筆者は我ながら驚いてしまいましたが、他のコマもいままで撮影してきた木星写真と遜色ない写りです。それだけシーイングによる写りの違いが大きいということを見せつけられてしまいました。
00時57.9分(JST)
01時33.8分(JST)
02時02.6分(JST)
02時50.4分(JST)
土星と火星も撮影しました。土星撮影時には時間もまだ早かったためかそれほどシーイングが良いとは感じませんでした。火星は時間帯は良いはずですがまだ高度が低く自宅屋根の影響があるかもしれません。
(RGB各)露出15msec、ゲイン400、30秒約3000枚>70%約2100枚、x2セットディローテーション
(L)露出15msec、ゲイン360、30秒約3000枚>70%約2100枚、x5セットディローテーション
01時14.5分(JST)
火星
(GB各)露出10msec、ゲイン400、30秒約3000枚>70%約2100枚、x2セットディローテーション
(R)露出10msec、ゲイン330、30秒約3000枚>70%約2100枚、x2セットディローテーション
(L)露出10msec、ゲイン300、30秒約3000枚>70%約2100枚、x4セットディローテーション
03時15.1分(JST)
L,R,G,B各色写真
02時50.4分(JST)
L画像
R画像
G画像
B画像
01時33.8分(JST)
L画像
R画像
G画像
B画像
各画像は色フィルタを交換しながら別々に撮影したものを複数枚、自転補正(De-rotation)するときに時刻を揃えています。
青色の画像が特に精細度が違っています。波長の短い光の方が空気層で乱反射しやすく、そのため気流の影響を受けやすいためだと思います。
フィリピンの惑星観測者はRGBのみを使っているのはシーイングが良いからだとわかります。日本でも安定的に良シーイングになると良いのですが、今回のようなシーイングが現れるということは日本も熱帯気候になっているということです。暑いわけです。