昨日は雨のち曇り、やっと秋晴れになったと思ったら、冬のような朝晩の冷え込みです。天気が良いと出かけたくなりますが、惑星シーズンも続いているので惑星撮影です。
透明度は良いもののシーイングは、ピントを合わせてもピークが掴みづらい状況です。それほど大きく揺らいでいないのですが細部が見えないということは上空の高いところの気流が悪いのでしょうか。
2022年10月26日 横浜市戸塚区
シーイング4/10、透明度4/5
望遠鏡: セレストロンC11(28cmシュミットカセグレンF10)、Skywatcher AZ-EQ6GT赤道儀
カメラ:ZWOASI290MM(L、R、G、B)、ニコンEiC16=F34
キャプチャーソフト:FireCapture v2.7.1(Mac)
画像処理:AutoStakkert_3.0.14(Win)スタック、RegiStax(Win)による画像復元、De-rotation(WinJUPOS (Win))後、 ステライメージ7(Win)最大エントロピー法、RGB合成、LRGB合成、フォトショップ(Mac)、色、トーン調整
火星に関しては高度が上がってきたためもあって程々の模様が映りました。三色分解撮影の最大のメリットは火星のように偏った色の場合、各色正しい画像が得られることです。実際青の画像は雲以外の模様が見えません。
ところが、LRGBカラー合成した上で色合い調整するとこのバランスが崩れます。本来RGB各チャンネルで調整していくのが正しいのでしょうが、筆者の技量が追いつかないためか目で見たような色合いの再現ができません。現状カラーカメラで撮影するのと同等なのですが単色画像も保存できるのが免罪符です。
火星
(G、B各)露出10msec、ゲイン380、30秒約3000枚>40%約1200枚、x2セットディローテーション
(R)露出7msec、ゲイン320、30秒約4300枚>40%約1700枚、x4セットディローテーション
(L)露出7msec、ゲイン300、30秒約4300枚>40%約1700枚、x2セットディローテーション
AutoStakkert_3.0.14(Win)スタック時にDrizzle1.5xを使用(表示サイズは1倍)
24時04.6分(JST)
さて、L画像とR画像を見比べるとR画像の方が細部が写っています。これは長波長の方が直進性が高く揺らぎにくいためです。火星の場合、ほとんど赤色なのでかつては赤外線カメラで撮影した時代もありました。
そこで、L+RGBではなくR+RGB合成にして見て比較してみます。
L+RGB
R+RGB
L画像の方が下(北)側の雲が明るく見えますがそれ以外はR画像の方が優れているのでこちらを採用。
ただし、実際の眼視による見え方と比べ、模様のコントラストが高すぎてかけ離れて見えるので、デジタル現像でコントラストを落として調整して見たのがこの画像です。
R+RGB
ちなみにRGBでできるだけ眼視の色合いに近づけて見たのがこちら。模様がシラっちゃけて見えますが色合いはこんな感じ。輪郭部の赤はR画像だけが輪郭部がシャープなので出てきてしまう。これが治せません。
20分後で同じように撮影して見ました。再現性はあるようです。火星は極端なのでどう見せるか迷います。
24時27.4分(JST)
R+RGB
R+RGB(コントラスト弱)
木星も撮っておきました。
(RGB各)露出10msec、ゲイン380、30秒約3000枚>30%約900枚、x2セットディローテーション
(L)露出10msec、ゲイン320、30秒約3000枚>30%約900枚、x5セットディローテーション
22時21.6分(JST)