報道ニュースなどあちらこちらで何百年ぶりとか宣伝してくれたので、天文業界には嬉しいことでした。この手の天体現象は宣伝すればするほど曇ったり空振りだったりしたのですが、月食は空振りはないので天候だけが心配でしたが、太平洋側では快晴だったようでめでたいです。
筆者は迷いましたが自宅で見ることにしました。双眼鏡で家族と見ました。
撮影は一つはNikonZfc+70-200mm/2.8(200mm)でポータブル赤道儀の月追尾で動画を撮影しようとしました。ただこちらは床がぐらついて極軸合わせも狂って、動画は失敗です。タイムラプス撮影で動画も同時生成してくれるので便利でしたが。
皆既中の空は暗くなって1秒の短時間露光でも周りの星が写っています。
天体望遠鏡16cm反射(高橋MT160+レデューサー)にNikon D810Aをつけて直接焦点撮影です。北を上にしています。
地球の影を表現しました。月の位置は国立天文台の図を使って按分して配置合成しています。
19時09分(露出1/15秒、右下)、19時59分(露出1秒、真ん中)、20時51分(露出1/15秒、左上)
天王星食は皆既月食終了直前に潜入しました。左下際に見えるのが天王星です。(画像をクリックすると拡大します)
潜入前30秒間隔で撮影していましたが、1分間隔に間引きして合成しました。こうしてみると多くの星が月の周囲に見えます。動き方向(実際には月が動いている)は画面左から右です。ここにある星は全て「星食」した星です。
天王星は左下(東)にある星です。この大きさでは点に見えます。有り難みがないです。。
出現は部分月食中なのでどうしても露出がオーバーになります。右下(西)に出てきたのが天王星です。
今回の天文現象は多くの方に興味を持ってもらえたようで、業界にいた人間としては嬉しいことです。こんなご時世だからなのでしょうか。
テレビ朝日系でやっていた報道番組でも大勢の方が見ている様子が出ていたようです。
“一生に一度”にかける人たち 442年ぶりダブル天体ショー『皆既月食』×『惑星食』(2022年11月8日) - YouTube
この中で出てくる星見屋店主さんが使っているアイピースが、ニコン超広視界アイピースNAV -17HWで、「一生に一度」の観測に使ってもらえ嬉しかったです。
一緒に見ていた息子が撮影した固定撮影の連続写真です。
Nikon D750+Ai AF Nikkor70-300mm/4.5-5.6(70mm)
皆既から復元の経過がよくわかります。
追記
ターコイズ(ブルー)フリンジと呼ばれる影の境界付近が青く見える現象が見られます。今回は、地球の影自体が暗めに見えたので、あまりはっきり見えなかったと思いますが、昔45年前に見た皆既月食ではとてもよく青い色が見えて驚いた記憶があります。
この写真はそれを意識してトーンカーブ調整をしてみたものです。双眼鏡で見たイメージに近いと思います。ネットで多くのターコイズフリンジ写真が出ていたので追加してみました。