naka-maの心言・2

http://naka-ma.tea-nifty.com/butubutu/ 「naka-maの心言」続編です

2023年1月25-26日 横浜からC/2022 E3 ZTF彗星撮影

日本列島が最強寒波に覆われ、雪による道路渋滞や、新快速電車内で閉じ込められたり各地で大変だったのが24日から25日にかけてでした。関東地方でも北部や南部でも房総の方では雪が降りましたが、25日になると冬晴れになりました。

横浜の自宅でも氷点下なので、「電視観望」で部屋の中から星を見ました。

電視観望と言っても準備が必要なので外にいる時間もあるので防寒対策をするのですが、脱ぎ着が面倒なので後半は結構寒い思いもしました。

まずは手始めにオリオン星雲M42です。毎年撮影していますので見返してみるとその時の気分で画像処理を適当にしているので全く雰囲気が違いますね。

 

高橋MT160+レデューサー(D=16cm、f=776mm)、NikonD810A(FX撮影後トリミング)、サイトロンコメットバンドパスフィルター、スカイエクスプローラーAZEQ6GT赤道儀、自動ガイド(SVBONY 30mm F4ファインダースコープ、ZWO ASI224MC)、ASIAIRpro

30秒x10、60秒x10、120秒x10、ISO1000をDeepSkyStacker(DSS)でスタック。

周辺減光がひどいのでステライメージのセルフフラット機能を使って再処理してバックを暗くしてみました。

オリオン星雲M42 セルフフラット再処理

ASIAIRのアプリは良くできていて、電視観望しながら撮影もできるライブモードで見ながら撮影しました。ただオートランモードと異なりカメラ内での画像保存はできないようで、ASIAIRのUSBメモリにFITS形式で保存されます。ちなみに筆者は基本M1MacなのでFITSは扱えず、やむをえず古いインテルMacを残しておいてパラレルズでWindowsを動かして処理しています。以前はASIAIRのFITSがステライメージで読めなかったと思うのですが今回は大丈夫でした。

なお、周辺減光が大きく、イメージサークルもフルサイズに若干足りないので画面は切り出しています。

 

次に、今日寒い中わざわざ望遠鏡を出した理由でもある、C/2022 E3 ZTF彗星です。

この彗星は2月2日に地球に最接近するので大きく見えるのではと期待されています。ただ尾の出方は控えめで近日点通過はもう終わっているのでこれ以上長い尾は期待できないかもしれません。今は北極星の近くに一晩中見えます。

ネットの写真で、尾は細くて長いイオンテールが目立ちますが、これは空の暗いところに行かないと撮影もできません。コマから出た明るいダストテールは都会でも撮影できますが、短いので見栄えはしません。しかし6等級まで明るくなった彗星ですから撮影しましたのでご覧ください。

2023年1月26日JST0時19分〜01時03分、120秒x21枚、ISO1600

DeepSkyStacker(DSS)で、彗星、星固定でスタック。

C-2022-E3_120.0s_Bin1_ISO1600_20230126-010334_002p

C/2022-E3 ZTF彗星

周辺減光落ちを少なくしてバックを暗くしてみました。尾がよく見えなくなりましたが。

C/2022-E3 ZTF彗星 再処理

正直に言うと目では見ていません;)。プレートソルブが北側だと迷うようで何度か外に出て望遠鏡の向きを大体合わせ直しましたが、あとは自動で導入してくれました。

ライブ観望中にも思ったのですが尾がどちらにも伸びているように感じました。写真は右が北極星方向、上が時角+方向です。北極近くは方向を示すのが難しいのですが、この場合目で見たのと逆です。尾は右下に向けて伸びており、ダストとイオンテールは重なっているようです。一方逆方向にもにじみが見えます。他の方の写真を見ると、やはり逆方向にも「へ」の字のように尾が見えます。>ダストテイルが横に広がっているそうです

また地球に近いので彗星の相対移動速度が上がっており、動きが速いです。

120秒露光では核が線状に写って長すぎましたが2分間隔の連続写真が撮れました。。

そこで各写真を使ってフォトショップによるGIFアニメーションを作ってみました。

C-2022-E3_20230126-010334p.gif

ZTF彗星の移動

当地から北側は横浜の市街地があるので夜半でも明るく、尾は期待できませんでしたがそこそこ楽しめました。なお、光害カットフィルターとして「サイトロンコメットバンドパスフィルター」を本来の用途である彗星に初めて使ってみました。

 

翌朝、望遠鏡を片付けるときに太陽も撮ってみました。

2023年1月26日 10時00分(JST

コロナド社P.S.T.、NikonNAV-17.5SW+TSA-1、Nikon D810A(FX)

1/8秒、ISO1250、光球B画像、紅炎R画像、擬似カラー

20230126_10003254

20230126_10h00m33s

このところ太陽活動も活発で、多くの黒点や大きな紅炎も出ていたようですがこの日は穏やかで出遅れました。白く見える所は黒点の近くにあるHα吹き出しが活発な所です。やはりすぐに行動しないとダメですね。