横浜の梅雨が明けた。
真っ青な空に星空を期待できるが、この三連休は自宅でおとなしくしていた。そこで横浜からの木星を楽しむことにした。惑星屋にとって安定した夏空は、同じ晴れでも冬と違って絶好の観測日和である。
7月16日金曜日から7月17日土曜日の夜中は風が強く、自宅テラスも風が吹き付け、望遠鏡も揺れて困った。
購入したばかりのアイピース(ニコンNAV-10SW)と1.6倍コンバータ(ニコンEiC-16)を使ってコリメート撮影をしてみた。画面いっぱいまで大きく電子ズームを効かせると、画像処理により解像度が上がるので最大までズームしたいところだが風のぶれと極軸のずれで数十秒の露光中に画面からはみ出すので、ワンクリック小さくした。
大きくぶれるものの、上空の大気は落ち着いたようで、シーイングそのものはまあまあだった。
木星
撮影日: 2010年7月17日
露出時間: 動画約40秒(30フレーム/秒)
撮影場所: 横浜市
望遠鏡: タカハシCN212(カセグレン焦点)
カメラ: ニコンP4、MOV、デジタルズームx1.8、ニコン アイピースNAV-10SW+EiC-16
画像処理:コンポジット(約1000枚コンポジット)、ガンマ補正、画像復元
シーイング 5/10、透明度 4/5
撮影時刻: 午前0時44分
撮影時刻: 午前1時27分
18日は朝方、起きだして見た。風が収まって透明度も悪くやや暑苦しい夜だが、そのぶん、絶好のシーイングとなった。
まずNAV-17.5SWで眺めてみると、ちょうど大赤点が見えて来たところだ。しかもその濃淡や周辺の模様、フェストーンがエッジが立って見える。シーイングの良さが際立つ。このアイピースはコントラストが高い。
アイピースを10mmに変えても、エッジが十分きいている。ガリレオ衛星や近くにある天王星も円盤状に確認できる。
撮影画像も高品質なものになった。これだけ大気が安定していればデジカメの動画処理でもコントラストが高くやりやすい。そのぶん通常のシーイングでの画像との差が際立ってしまう。
ところでバローレンズに相当する「EiC-16」を付けてもシャープさは損なわれていないし、眼視でも周辺まで良像だった。
撮影日: 2010年7月18日
露出時間: 動画約40秒(30フレーム/秒)
撮影場所: 横浜市
望遠鏡: タカハシCN212(カセグレン焦点)
カメラ: ニコンP4、MOV、デジタルズームx1.8、ニコン アイピースNAV-10SW+EiC-16
画像処理:コンポジット(約1000枚コンポジット)、ガンマ補正、画像復元
シーイング 8/10、透明度 2/5
撮影時刻: 午前3時22分
撮影時刻: 午前3時32分
撮影時刻: 午前3時49分
撮影時刻: 午前3時59分
18日の日中も暑かったが秋葉原を巡って来た。19日の朝方も、昨日に味をしめて、夜中に起きだしてみた。しかし、かなりの強風で薄雲も出ていたので、条件はかなり悪化していた。しかし、眼視でみるとシーイングは17日より良く、高度も上がっているので透明度も気になるほどではなかった。ただ望遠鏡が揺れて視界から木星が飛び出すことがあって撮影は難儀した。
昨日に比べ光量不足は明らかで、画像処理も同じようにやっているつもりでも、結果がそろわない。
撮影日: 2010年7月19日
露出時間: 動画約40秒(30フレーム/秒)
撮影場所: 横浜市
望遠鏡: タカハシCN212(カセグレン焦点)
カメラ: ニコンP4、MOV、デジタルズームx1.8、ニコン アイピースNAV-10SW+EiC-16
画像処理:コンポジット(約1000枚コンポジット)、ガンマ補正、画像復元
シーイング 5/10、透明度 2/5
撮影時刻: 午前2時34分
撮影時刻: 午前2時55分
撮影時刻: 午前3時19分
撮影時刻: 午前3時29分
三連休も夜中に連続して起きだすとなんだか日中だるくなる。また画像処理の仕上がりも安定せず、時間ばかりかかってしまう。毎日のように撮影画像を出している人たちはどうやっているのだろう。僕はマニアにはなれないなあ、と痛感した。