naka-maの心言・2

http://naka-ma.tea-nifty.com/butubutu/ 「naka-maの心言」続編です

オリオン星雲M42のHDR

茨城県常陸大宮に星を見に行ってきました、の続き。

この週は大変冷え込んで、日本海側は大雪で、太平洋側は乾燥注意法が出っぱなしでした。

星を見に辿り着くまでに、山道が凍結しているところがあり、アンチロックブレーキの動作がありましたが、太平洋側に住んでいる恩恵に預かり、快晴でした。

が、なぜか薄雲が広がったり流れたりの繰り返しで、透明度が今ひとつの時と、雲の切れ間では素晴らしい星が繰り返し現れるので、諦めて寝るわけにも行かず、かといって根を詰めているほど晴れ間が続かず、どっちつかずの天気でした。

大口径のドブソニアンが集ったので、超広視界アイピースとの組み合わせで、星雲星団を巡ることができました。102度の広視界ですと、星雲もいいのですが、特に球状星団を高倍率で見る迫力が素晴らしく、中央まで星に分解して見える100倍以上の倍率でM3を見ることができました。

筆者は、28cmのセレストロンを持って行くのはやめました。より大口径があるのがわかっていたのと、

運搬で光軸が狂うことの心配があったためです。

そこで久しぶりに、MT160(16cmニュートン反射)で直焦点撮影をしてみました。

特に狙っていたのはオリオン星雲M42です。毎度ありきたりの対象ですが、最も見栄えがする対象であり、それでいながらなかなか会心の作が撮れていないのです。

以前から書いているように、HDR(ハイダイナミックレンジ)技法で日食写真を撮った20年前からこの手法でM42のガス雲と中心四重星のトラベジウムを目で見たように写真に再現したいと思っていましたが、デジタル一眼レフカメラのおかげでほぼ実現できました。

しかし、HDR技法は「見たままのダイナミックレンジの再現」にはなかなか論理だったものが無く、いろいろな解釈で映像が作れます。

そして最近筆者もアドビフォトショップをCS5にバージョンアップし、より強化されたHDRを使ってあらたにオリオン星雲M42を写真にしてみたかったのです。

この際、素材も新たに撮影し直そうとのぞみました。

しかし、先述のように薄雲が流れ、コンポジット画像を撮影している間にも星がにじみます。結果、いまひとつな写真になりましたが、新しいHDRを試すことはできました。

まず、段階露光の写真のコンポジット。

MT160+レデューサー、直焦点撮影

ニコンD300、ISO640、露光時間10秒、30秒、60秒、180秒、RAW

20110128_m42p

これを素材にフォトショップCS5によるHDRがこの写真です。

20110128_m42phdr

どうでしょうか。どちらかというと海外天体写真に見られるような「どぎつい」HDRと感じるでしょうか。ですが、大口径ドブソニアンで見ると、星雲中心部の複雑な構造と周辺の淡い羽根のような広がりの両方が見えます。この印象に近いのではないでしょうか。

いずれにしても、星がにじんだような原画ではまだまだです。筆者の直焦点写真のライフワークになるでしょう。

他に、星がにじむことで、雰囲気が出るかと思い「すばる」M45を撮りました。周りの淡いガスは出ませんが。

20110128_m45p

もう諦めて望遠鏡を片付けかけると天頂付近のしし座がきれいにみえるので、再セット。ピントの出し直しが仕切れませんでしたが、M65,M66,NGC3628の三兄弟です。

20110129_m65p

2月に入り、急に暖かくなって、空も白っぽくなってきました。寒暖の差には気を付けましょう。