naka-maの心言・2

http://naka-ma.tea-nifty.com/butubutu/ 「naka-maの心言」続編です

木星土星火星2020年6月9日

梅雨入りが近いのですが、晴れ間が続くので平日ですが天体望遠鏡を出して惑星を撮影しました。

実は、撮影用カメラに、解像度の高い白黒カメラ「ASI290MM」を導入したので早く試したかったのです。

今まで通りのカラーカメラ「ASI224MC」と「平均」撮影時刻が同じになるようにフリップミラーで切り替えながら、「CーM ーMーC」のような順番で撮影し、「LRGB」合成をします。商品写真はアマゾンアフェリエイトです。このような順番で接続しました。

 

NikonEiC16は、テレセントリックバローレンズのように言われていますが、実際は距離を離すとそれなりに拡大率が上がり、この例では3.3倍程度になっています。その割に光学性能は劣化しないので重宝しています。

フリップミラーとの間に実際には「ZWO ADC」大気色分散補正プリズムを入れています。またフリップミラーはビクセンのを使っています。

このL+RGBというやり方は日本独自のようですが、関西の惑星撮影大御所の方が使われている方法です。

 

さて、惑星は、木星土星火星が夜半過ぎに東から登ってきます。まとまって見られるのでついつい張り切ってしまいます。

当初、写真のようにぼやぼやの川底状態でピントも怪しい状態でしたが、午前2時くらいから急にシーイングが良くなりました。

かつて2009年の暑い夏にフィリピン並みの好シーイングがありましたが、その時以来、いやちょっと劣りますが、機材と画像処理の向上で画質はかなり良いものが撮れました。

 

2020年6月9日横浜市戸塚区
シーイング3〜7/10、透明度3/5

望遠鏡: セレストロンC11(28cmシュミットカセグレンF10)、Skywatcher AZ-EQ6GT赤道儀
カメラ:ZWOASI224MC(RGB)、ASI290MM(L)、(ニコンEiC16)=F33

キャプチャーソフト:FireCapture v2.6beta(Mac

画像処理:AutoStakkert_3.0.14(Win)スタック、Lynkeos(Mac)による画像復元、De-rotation(WinJUPOS (Win))後、 ステライメージ7(最大エントロピー法、マルチバンドシャープ)、フォトショップMac)、色、トーン調整

木星

(L)露出10msec、ゲイン340、5000枚>75%約3500枚、x3セットディローテーション

(RGB)露出10msec、ゲイン340、5000枚>75%約3500枚、x2セットディローテーション

1時18.8分(JST

 

202006081618_8nmljuplrgb

(L)露出10msec、ゲイン340、5000枚>75%約3500枚、x3セットディローテーション

(RGB)露出10msec、ゲイン340、5000枚>75%約3500枚、x2セットディローテーション

1時55.4分(JST

202006081655_4nmljuplrgb

 

その後、急にシーイングが良くなりました。

(L)露出10msec、ゲイン340、5000枚>75%約3500枚、x4セットディローテーション

(RGB)露出10msec、ゲイン340、5000枚>75%約3500枚、x2セットディローテーション

2時22.3分(JST

202006081722_3nmrgbjuplrgb

追記

なんだか線が太くなってどぎついので、スタック枚数を減らし厳選することで画像復元前のシャープネスを上げ、穏やかな画像復元、シャープ処理をして穏やかな画像処理にして見ました。線は細くなり印象が変わるので処理も難しいです。

(L)露出10msec、ゲイン340、5000枚>50%約2500枚、x4セットディローテーション

(RGB)露出10msec、ゲイン340、5000枚>75%約2500枚、x2セットディローテーション

202006081722_3nmrgbjuplrgb2

追記2

L画像のスタック枚数を減らさないで、シャープネスを確保するために、Lynkeos(Mac)による画像復元をノイズが出にくいようにシャープネスを抑えて見ました。そうするとステライメージ最大エントロピー法でノイズ削減するのを弱めにできるためシャープネスを落とさずに済みます。画像処理は難しいです。

(L)露出10msec、ゲイン340、5000枚>75%約3500枚、x4セットディローテーション

(RGB)露出10msec、ゲイン340、5000枚>75%約3500枚、x2セットディローテーション

2時22.3分(JST

202006081722_4nmljup3lrgb

RGB(露出10msec、ゲイン340、5000枚>75%約3500枚、x2セットディローテーション)だけ、つまり今まで通りの画像も並べます。

この日の好シーイングが、何より高解像度につながっているわけですが、L画像の解像度も貢献しているようです。

202006081722_3nmrgbjup

L画像単独も掲載します。

ASI290MMはASI224MCよりも画素ピッチが狭いので(2.7μm<3.45μm)大きく写ります。またカラーではRGBに画素が分かれますが、モノクロでは全画素使いますのでその分も解像度が増します。

また反射防止コートのカバーガラスだけしか付いていないので、赤外線の感度もあります。通常はL画像ように赤外線、紫外線をカットするフィルターをつけるのが常道ですが、筆者の考えは、惑星では太陽光の反射であるので、地上での赤外線写真と同じように、コントラストを強める効果が期待できるので赤外線も利用したいと考えています。

202006081722_4nmljup

追記

スタック数を減らして画像処理を穏やかにしたものです。この方がむしろシャープに感じます。

(L)露出10msec、ゲイン340、5000枚>50%約2500枚、x4セットディローテーション

202006081722_4nmljup2

追記2

スタック枚数を確保してシャープネスを上げました。

(L)露出10msec、ゲイン340、5000枚>75%約3500枚、x3セットディローテーション

202006081722_4nmljup3

大赤斑が正面になりました。画像処理が遅れて追加で出します。

(L)露出10msec、ゲイン340、5000枚>75%約3500枚、x3セットディローテーション

(RGB)露出10msec、ゲイン340、5000枚>75%約3500枚、x2セットディローテーション

2時46.6分(JST

202006081746_6nmljuplrgb

 

大赤斑が見えていて写欲が沸きます。

(L)露出10msec、ゲイン340、5000枚>75%約3500枚、x3セットディローテーション

(RGB)露出10msec、ゲイン340、5000枚>75%約3500枚、x2セットディローテーション

3時09.4分(JST

202006081809_4nmrgbjuplrgb

好シーイングなので、近くにある土星も写りに期待しましたが、土星はやはり難しい。

(L)露出10msec、ゲイン340、5000枚>75%約3500枚、x5セットディローテーション

(RGB)露出10msec、ゲイン340、5000枚>75%約3500枚、x2セットディローテーション

2時09.4分(JST

202006081709_4nmrgbsatlrgb

火星は明け方に昇ってきます。東の空はシーイングはさほど良くありませんでした。

衝になる秋には大接近しますので期待しましょう。

(L)露出10msec、ゲイン340、5000枚>75%約3500枚、x4セットディローテーション

(RGB)露出10msec、ゲイン340、5000枚>75%約3500枚、x2セットディローテーション

3時22.3分(JST

202006081822_3nmlmars_lrgb