尾瀬夕照
尾瀬へ行って来ました。
暗闇の中、登山用ヘッドライト一個だけで照らされた木道を見て歩を進めながら、午前3時に出発したことを少しだけ後悔していた。山の朝は早い、が真っ暗闇の道は自分が街の明かりに慣れきっていることを痛感させた。鳩待峠まで車で入れる期間は限られているが、ちょうど解禁日を狙ってきた。車で仮眠(といっても6時間)を摂り、出発したわけだが、鳩待峠から尾瀬ヶ原の「山の鼻」までの行程は下りの木道続きだからできることだ。しかし思いの外、視界が狭く、朝露に木道も湿っていて滑りやすい。
山の鼻に着いても、さらに行く先は決まっていた。二年前に来たときに撮影できなかった、朝日を池塘に映す場所へ急いだ。そこはあまり人が居ないはずだが、ひとり白髪の先客がいた。軽く挨拶を交わし、三脚をたてる。尾瀬は湿原保護のために木道を設置しているので、三脚といえども絶対に下へ突き立ててはならない。
天気はあいにく曇っていた。日の出の時間になっても東の空に雲があり、狙いははずれた。しかも、晩秋のこの時期というのに霜すらおりていない。ビジターセンターでみた寒暖計では+3℃、白く凍てついた草紅葉を撮ることもできない。落胆は隠せない。なんて憑いていないんだ。
以下、下記参照。
尾瀬の記憶-2003年へ
2003.10.30