naka-maの心言・2

http://naka-ma.tea-nifty.com/butubutu/ 「naka-maの心言」続編です

小学校のころのウルトラマン

今日、小雪の舞う中、子供と一緒に映画「ULTRAMAN」を見に行った。40歳くらいの子持ち自衛官が異星人に憑依され、ウルトラマンに変身する。小学生以下の子持ちは是非見ていただきたい。非常にグロテスクなエイリアン怪獣とウルトラマンは衝撃的だが、自衛官とは言え、一般人が、変身する時の苦悩が丁寧に描かれていて共感できる仕上がりだ。

今日は、子供にせがまれて過去のウルトラマンである、「ウルトラマンA(エース)」のDVDを買ったので、その頃の思い出話をすることにしてみようと思う。年の瀬にウルトラマンの評論?だけで終わりたくないから。

筆者は、自分の子供に対しアニメや特撮を無条件に見せているわけではない。また、テレビゲームは禁止していたが、最近、周囲の現状も考え、条件的にやらせている。
しかし、ここにも何度か書いてきたように、筆者は「ウルトラマン」を重要視しているし、子供にも、むしろ、積極的に見せている。
一般的に、特撮ものは幼稚園で卒業し、小学校では、テレビゲーム、というのが、特に男子の間では普通のようだが、「ウルトラマン」は是非、小学生に見てもらいたい、とすら思っている。
このことで釈明しようとは思わないが、説明すると、科学と宇宙へのあこがれをもってもらいたいことと、ちょっと背伸びして、難しいドラマに接して欲しいからである。

前者はそれとして、後者には、あれ、と思う方がほとんどだろう。ウルトラマンがそんなに優れたドラマであるはずがないと。そのことを論じては、時間がいくらあっても足りないのと、インターネットの世界では、結構、特撮おたくが多く、中途半端に書くとまずい?のでやめておくが、昔から「ドラマのTBS」を支えてきた脚本家、演出家が、若い頃にウルトラマンを手がけていたことは事実だ。

さて、筆者は小学校2年生の時に「ウルトラセブン」が放映されていたが、その前から、家庭ではこの手の番組は見せてもらえなかった。「サンダーバード」や「ゴジラ」は見せてもらったから、どちらかというと理由は、日曜日19時のこの時間が、親父の好きなクイズ番組(NET=日本教育テレビ=現テレビ朝日の「アップダウンクイズ」)の裏番組だったからだ。

その後、チャンネル権を得てから、ウルトラシリーズは放映されず、再放送を見て、特撮番組の知識を得ていたが、1971年4月2日金曜日19時から始まった「帰ってきたウルトラマン」が、「自分で見たウルトラマン」になった。

「太陽系」「M星雲」「銀河系」「反重力」「レーザー」・・・、SF=「空想科学」ではあるが、小学生の男子には、魅力的な言葉が並んでいた。その言葉の意味を調べるのに、図書室へ行ってみたり、家にあった百科事典を見たりした。それは勉強ではなかったが、調べることが苦痛ではなくなった。

ちょっと知識が増えると、よく友達に得意げに話した。ともすれば嫌がられる行為だが、上には上がいて、反対によく話を聞かされた。こうすることで結構知識が増えた。怪獣の得意技と同列に、宇宙論が出てくるのだから、面白い。授業で宇宙の話が出た頃は、その程度の内容ならほとんど知っていたと思う。

その友達の中でも、特に詳しかったのは、ある女の子だった。正直に言うと、筆者は、その子に認められたくて、調べものをしたりしたのだった。その子は、筆者の話をよく聞いてくれ、また、よく話してくれた。怪獣図鑑は筆者は持っていなかった(弟の雑誌の付録にあったものくらいしかなかった)が、その子は上等なのを持っていて、貸してもらったりしていた。

自分が漫画を書くと、とてもよろこぶので、こちらも調子に乗ってどんどん書いて、いくつかあげたりした。小学校の女子だと、少女漫画がやはり主流だが、なかには少年漫画が好きな子もいて、休み時間に漫画を書いて見せたりするとそれだけで”尊敬”されたりする。筆者は運動や容姿には自信がなかったので、こういうことだけには負けたくなかった。あげく、自分で怪獣図鑑を作って、クラスで回覧したり、学級新聞に漫画を書いたりした。

ウルトラマンA」は1972年だから小学六年生だった。
このウルトラマンは、男性と女性の「合体変身」で、意欲作だったようだが、当時、「仮面ライダー」が人気を博し、他にも「レインボーマン」「スペクトルマン」「超人バロム1」など多くの特撮が放映されたので、視聴率に苦しみ、路線変更がたびたびあったと聞く。ウルトラマンが兄弟や家族になり、やがて低年齢層向けになり、SF的要素がなくなった。筆者も年齢的にもう卒業の時期であった。

同時に、女子にとってこの時期は、男子より先に思春期に入るので、以前のように無邪気に話すことが出来なくなってきていた。先に述べた女の子もその時期だったが、あいかわらず、筆者とはよく話をしてくれた。修学旅行でも反対する女子をおさえて、「ウルトラマンA」を部屋で見たと言っていた。

製作者の話を見ると、「ウルトラマンA」の男性と女性の「合体変身」は、子供が男女仲良く怪獣ごっこが出来るように、という発想だったと言うことだが、筆者の年齢ではありがた迷惑で、よけい、その子と話がしにくくなった。

やがて中学生になると、その子を含む数名で、プラネタリウムに行ったりしていたが、その後、転校していった。筆者は「オクテ」を自覚しているが、当時、彼女は筆者をどう見ていたのだろうか。ま、引っ越し先も告げずに転校して行ったのだから、「怪獣友達」だったろうか。

小学校の同窓会は一度もなく、このあいだ知ったが、担任の先生も亡くなった。今でも、地元に住む数名なら集めてクラス会でも出来そうなものだが、筆者はその子が来るあても無いので、その気も無い。
先日、高校の「総会」では数人の同級生に会って、クラス会とは違った話が聞けたのだが、結構忘れていることも多い。これが30年以上会っていない小学校の友人ともなると、会っても誰だか分からないかもしれない。そう思うと、その子にもし会えるとしても、ちょっと怖いような、でも懐かしいような・・。