naka-maの心言・2

http://naka-ma.tea-nifty.com/butubutu/ 「naka-maの心言」続編です

日光戦場ヶ原にて

飛び石となった前半のGWを埋めて、日光戦場ヶ原で天体写真を撮ってきました。
横浜からだとどうしても東京を抜けなくては行けないので、躊躇してしまいますが、富士山よりはるかに落ち着いて星を見ることができました。連休谷間、春という季節柄ということもあるでしょうが、良いところです。

透明度は悪いものの、晴天に恵まれ、シーイングも良好でした。
前回に続き、デジタル一眼レフカメラで直焦点撮影を行いました。
RAWフォーマットで撮影し、コンポジットは行わないで処理しています。理由は安定してコンポジットに適した良像を撮影できなかった為です。

筆者の考えでは、中型赤道儀にオートガイダーを装着するより、ノータッチガイドのほうが優れているはずです。大型赤道儀でも威力を発揮するのは極軸設定の誤差、大気の浮き上がり誤差ぐらいだと思っています。現実にはオートガイダーばやりで、筆者が何を言っても始まらないのですが、理由はいろいろあるのです。
もっとも分かりやすい理由は、ウオームホイル直径Dに対する、補正制御精度εを要求するときの微少送り量δは、

δ=D×tanε

D=100mm、ε=5秒角 のとき δ=2.5μm

この制御量がどのくらい大変なことかは、経験したことが無いと分からないかもしれません。

しかし、ノータッチガイドで行くには、筆者の所有する赤道儀ではピリオディックモーション(ウオームねじが一回転する間に出る誤差)はさすがタカハシ、良好なものの、とびや流れがでます。その原因が何なのか考察中ですが、露出したモータギアのさびなどの劣化が大きいようです。本来はデジカメに適した中型赤道儀の高精度なものに買い替えたいのですが、どうもEM200クラスになってしまうようで、その大きさ重さ、値段に躊躇してしまいます。

タカハシMT160(16cmニュートン反射)
専用レデューサー使用(焦点距離776mm)
90S型赤道儀、ノータッチガイド

ニコンD300
ISO800、1000
露光時間60〜120秒

photoshopCS3(RAW現像、ノイズリダクション、白飛び抑制など)

M8(いて座、干潟星雲)

2008051m8

M20(いて座、三裂星雲)

20080501m20

えーと、なんだっけ。
M16(へび座、わし星雲)だそうで。

2008051m16

M22(いて座、球状星団

20080501m22

M17(いて座、オメガ星雲)

2008051m17

NikonD300のおかげで写りについては(お手軽撮影にしては)満足です。また「ライブビュー」のおかげで正確なピント合わせができます。
よく勘違いがあるのですが、オリンパスのE330やソニーα350のような、ライブビュー用の撮像素子の入ったものと、写真用撮像素子のダイレクトなライブビューの大きな違いは、正確なピントが見られるかどうかです。

一眼レフは構造上、確かに撮影レンズを直接見ているのですが、実際のピントはあくまでファインダースクリーン上、AFセンサー上で見ているだけで、それと撮影系のピントは工場調整で合わせているのです。
従って調整が狂えば撮影した写真がピンぼけになります。
特に星の場合、一般写真の要求精度より高いピント精度が必要なのでわざわざファインダー以外の方法でピント合わせをしたりします。ところがD300のライブビューなら撮像素子のダイレクトなピントが、しかも拡大して見られるので星にも十分な精度が得られます。

しかし、D300,D3のおまぬけなところは、ライブビューから撮影時に一旦ミラーが下がってから再びミラーアップしてシャッターが開くことです。もともと一眼レフカメラの高級機には「ミラーアップ」機能があります。ミラーを跳ね上げる振動をもきらう高精度撮影時、ファインダーが使えなくなる不便があっても三脚に固定して使う機能です。が、ライブビューがあればミラーアップと兼ねて使える訳です。

それをわざわざ折角上がっているミラーを下げて、また上げる訳ですから、なぜミラーアップ機能があるのに同時にできないのでしょうか。一応ニコンには質問したのですが、「露出決定の為に一度ミラーを下げる」そうです。「三脚モード」としてライブビューのままコントラストAFをするくらいなら、同じ撮像素子映像で露出決定してもなんら問題ないのに、やはりおまぬけですね。できればファームウエア変更を期待します。