naka-maの心言・2

http://naka-ma.tea-nifty.com/butubutu/ 「naka-maの心言」続編です

木星2008.7.12-13

暑いですね。
梅雨明けとはいかないようですが、真夏のような気候で、惑星観測には実は都合が良いのです。
横浜のような地域では、海風、陸風といった夕方から夜までに上空の空気が入れ替わる時間になるのですが、熱帯夜では凪が続いて気流は安定するのです。もちろん上空の高気圧が安定していることがもっとも大きい要因ですが。
ということで、寝苦しい夜は夜更かしです。

木星は現在、大赤斑付近が大きな変化があって面白い状況です。大赤斑に発生していた小赤斑が飲み込まれて消滅したようです。また南(上)を中赤斑が通過したところです。これは画像からも見て取れます。
12日に見えたのは衛星の影です。イオというガリレオ衛星です。

さて、どうも木星の写真がキレが無くて困っていたのですが、原因が分かりました。
大きな原因は、シーイング(ゆらぎ)ですが、これはまあ地域的なこともあるので仕方が無いことです。しかし、前回の写真と同時刻にほぼ同じ地域で撮影された写真がすばらしく良かったことから、その原因を考えていたのです。
正直に言って、昔使っていたクールピクス990の方がシャープだったので、今使っているクールピクスP4の性能かとも疑っていたのですが(この可能性はまだありますが)、今回、大変良いシーイングに恵まれたことで、わかったことがあります。

それは、ピントです。
990はマニュアルフォーカスで無限遠に固定して、望遠鏡のピントを合わせていたのですが、P4は山形マークに合わせても、ピントが固定されていないのです。結構大きくピント合わせの動作をします。そして合わないとなると適当な無限遠でない位置で止まってしまうのです。
シーイングが悪いときはそれがよくわかりませんでしたが、今回は液晶ファインダー上でピントのずれがよくわかりました。
そこで対策ですが、これが困ったことにこれという方法が無いのです。そこでシャッター半押しでピントをロックした状態で、望遠鏡のピントを合わせ直すことにしました。
しかしケーブルレリーズを半押ししたまま、望遠鏡を操作するのは大変なのです。
これは死活問題です。
P4はニコンに珍しく、動画モードで、撮影開始前にデジタルズームが効く機種(他の機種はなぜか撮影開始後でないとデジタルズームが効かない)なのですが、マニュアル露出もマニュアルフォーカスもありません。
困ったな。

これを実施したのは13日の画像からです。

ともかく、今シーズン最高のシーイングとなった木星を見てください。

木星
撮影日: 2008年7月12日
撮影時刻: 0時38分
露出時間: 動画約30秒(30フレーム/秒)
撮影場所: 横浜市
望遠鏡: タカハシCN212(カセグレン焦点)
カメラ: ニコンP4、MOV、デジタルズームx2、ニコン フィールド接眼レンズ DS60(約7mm)
画像処理:コンポジット(約800枚コンポジット)、ガンマ補正、画像復元
シーイング 4/10、透明度 3/5


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撮影日: 2008年7月12-13日
撮影時刻: 23時49分、0時33分、1時29分
露出時間: 動画約60秒(30フレーム/秒)
撮影場所: 横浜市
望遠鏡: タカハシCN212(カセグレン焦点)
カメラ: ニコンP4、MOV、デジタルズームx2、ニコン フィールド接眼レンズ DS60(約7mm)
画像処理:コンポジット(約1800枚コンポジット)、ガンマ補正、画像復元
シーイング 7/10、透明度 3/5

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