naka-maの心言・2

http://naka-ma.tea-nifty.com/butubutu/ 「naka-maの心言」続編です

木星2012年12月7日

惑星用コンデジの光学系の中にゴミが目立って来たので、代替えのカメラを探しています。

今回、ニコンの「ミラーレス」アドバンスドカメラニコン1を借りることができたので、試し撮りしてみました。

ニコンは「デジスコシステム」という共通マウントを持っているので、天体アイピースに直接ブラケットを取り付けコリメート撮影が出来ます。

写真のように、天体アイピースニコンのTSA-1を取付け、そこに、ニコンⅠ用ブラケットDSB-N1を取り付けます。DSB-N1はニコン1J1、J2、V1に10-30mmズームレンズを付けたカメラを搭載できます。

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普段使っているニコンクールピクスP4と同じように取付できます。

ただ撮像素子が1型でP4のⅠ/1.7型より大きいので、アイピース、レンズを通しての拡大率が相対的に小さくなります。ここを上げてしまうと明るさが暗くなってしまいます。

ニコン1には「デジタルズーム」がないので不便です。「ハイビジョン」であっても200万画素有れば良いのですから、1000万画素のカメラであっても5倍のデジタルズームが搭載できるわけで、動画に力を入れているカメラであれば当然搭載されて良い機能です。このあたりニコンのカメラは融通が利かない。

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撮影日:2012年12月2日0時29分(JST)

露出時間: 1/1000秒、ISO100

撮影場所: 横浜市

望遠鏡: ビクセンED80Sf(8cm屈折アポクロマート)、ビクセンアトラク

カメラ: ニコン1J1、RAW、10-30mmレンズ、DSBーN1、ニコン アイピースNAV-17.5SW

シーイング 2/10、透明度4/5

f=11.4mm(35mm換算値30.8mm)

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月であれば悪シーーングでも思いきって速いシャッターを切ればなんとかなります。

RAWで撮れば、後処理にも耐えられるようです。フォトショップのスマートシャープを効かせてぎんぎんにシャープネスを上げてみました。

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しかし、木星のような低照度の対象では、一般写真のような内部で画像処理をかけられてしまうと、後処理に耐えられません。ニコン1はピクチャーコントロールの中で輪郭強調を「0」にできます。(はじめ、このコントロールを左端に持って行けば良いと思っていましたが、0の隣に「A(オート)」がありました。使い勝手が悪い設計です。)こうすることでビデオカメラに見られるエッジ強調が無くなり、画像処理時に妙な輪郭線が出て来ることがありません。

ところがニコン1では動画時のシャッター速度がマニュアル時であっても1/100秒以下にできないのです。これでは液晶面でも木星が確認できず、動画は使い物になりません。静止画に頼るしか有りませんが連写枚数が少ないので枚数が稼げません。

どうもこのカメラ、メーカーが勝手に妙な制限を付けすぎな様です。

シーイングの悪い日が続きますが、やや良くなった時に撮ってみました。

まずは自前カメラのP4。左に見える黒点はレンズ面にのったゴミです。コリメート撮影ではFが暗いので像面でも結像してしまいます。

木星

撮影日:2012年12月7日22時50分(JST)

露出時間: 動画約40秒(30フレーム/秒、1/32秒)

撮影場所: 横浜市

望遠鏡: セレストロンC11(28cmシュミットカセグレン)、ビクセンアトラク

カメラ: ニコンP4、MOV、FSB-4,ニコン アイピースNAV-10SW+EiC-16

画像処理:コンポジット(約1200枚コンポジット)、ラプラシアンフィルター=Keiths Image Stacker、

シーイング 4/10、透明度4/5

f=39.4mm(電子ズーム換算値)*f=26.3mm(光学焦点距離

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ニコン1J1で撮った写真です。

先述のように動画では暗くなりすぎるので静止画を高速連写して合成しました。

望遠鏡: セレストロンC11(28cmシュミットカセグレン)、ビクセンアトラク

カメラ: ニコン1J1、JPEG、10-30mmレンズ、DSBーN1、ニコン アイピースNAV-5SW

露出時間: 1/20秒(ISO400)

画像処理:コンポジット(約56枚コンポジット)、ラプラシアンフィルター=Keiths Image Stacker、

f=16.9mm(35mm換算値45.6mm)

22時59分(JST)

20121207_225945dsc_1461klrgb2

ぎりぎりまでズームレンズの拡大率を上げてみました。ノイズが多くなってしまいますので善し悪しですが。

カメラ: ニコン1J1、JPEG、10-30mmレンズ、DSBーN1、ニコン アイピースNAV-5SW

露出時間: 1/15秒(ISO1600)

画像処理:コンポジット(約56枚コンポジット)、ラプラシアンフィルター=Keiths Image Stacker、

f=30mm(35mm換算値81mm)

23時28分(JST)

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まあ、なんとかなりそうな画像が得られました。カメラ自体は、特に動画時のシャッター速度の問題が大きいので、変な制限を付けないでほしいと思いますが。