naka-maの心言・2

http://naka-ma.tea-nifty.com/butubutu/ 「naka-maの心言」続編です

横浜で撮影した彗星と星雲星団

横浜の自宅テラスから星を見ても明るい月、惑星以外はなかなか見るのも難しいくらい、街灯りが明るく、これを「光害」と言っています。

手軽に天体観測が出来ることを普及させたい当サイトとしては、ここでどのくらいの天体写真が撮れるか突き詰めたいと思っていました。最近街中での天体写真が発表されるようになって来て、それを見ますと、

1.「光害カットフィルタ」を用いる。

2.「天体改造」デジタルカメラを用いる。素子についている赤外線カットフィルタをはずしてしまう。

3.露出時間は短くする。15〜30秒くらいでも十分。

4.コンポジットする。できれば数十枚。自動スタッキングソフトがある。

このうち、2.については天体専用ではなく天体兼用のフィルタとホワイトバランスで対応できることがわかったので、先日手持ちのNikonD7000を改造してもらいました。

次に1.については、「光映舎」からNikon用FFフィルター(マウントの中に組み込める専用枠に組み込んだフィルター)が販売されているので、最新の「LPS-D1-FF(D7000用)」を発注し、入手しました。

その効果を見てみましょう。

LPS-D1-FF組み込み

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フィルタ無し

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ともに手持ちで5秒露出です。横浜市街の方向なので、水銀灯の緑色にかぶっているフィルタ無しに対して、青くはなっているもののかなり暗く写っています。

そのカメラを使って彗星を撮ってみました。望遠鏡はセレストロンC11、惑星用に使っている長焦点にF6.3レデューサーを付けて直接焦点撮影です。

2013年11月23日

5時21分(JST)

ラブジョイ彗星

30秒露出4枚コンポジット(Photoshop

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5時31分(JST)

アイソン彗星

10秒露出4枚コンポジット(Photoshop

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アイソン彗星は低空かつ薄明のため露出がかけられなかったが、それ以前に光学系の周辺光量低下が激しく中央部のトリミングになっています。大きさの比較は出来ません。それにしてもアイソン彗星はこの先どうなるでしょうか。

翌日、いろいろな天体を写してみました。

光学系はタカハシ16cmニュートン反射(MT160)+レデューサーの直接焦点撮影です。

天体改造カメラは赤い色(赤外線を多く含む)の星雲が得意です。そう言う意味ではこのオリオン星雲M42が適しています。

15秒露出7枚コンポジット(Photoshop

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後処理でHDRにしていますが、赤い色は特に強調していません。自分はここまで赤いのはどうかと思いますが、それにしても横浜の明るい空で、近くに月明かりが有る状況でここまで写るのだと感心しました。

M27は夏の天の川にある惑星状星雲ですが、特に赤が強調されて写りました。

15秒露出5枚コンポジット(Photoshop

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M2はやぎ座にある球状星団。星に分離しているのが良く写りました。

15秒露出5枚コンポジット(Photoshop

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M15はペガサス座にある球状星団。やはり星に分離しているのが良く写りました。

15秒露出5枚コンポジット(Photoshop

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ラブジョイ彗星もこの光学系の方が良く写ります。

5時15分(JST)

15秒露出4枚コンポジット(Photoshop

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この日は低空にもや?が出ており、アイソン彗星は確認も出来ませんでした。

彗星はやはり空が暗い所で淡い尾まで写らないと迫力が有りませんね。

まだ、4.の自動コンポジットソフトを入手していないので、手動でフォトショップで合わせて行くのは5枚程度が限度で、ざらつきが出ています。いくら光害カットフィルターがついているとはいえ、街中での写真ではバックグラウンドのカブリが大きく、なかなかきれいには撮れませんが、かなりの天体が短時間露光で撮影できそうなので、これから楽しみです。