横浜での、はじめてのオートガイド撮影;)
もう年末。来週は大晦日という時期になってしまった。
今年の冬は思いの外寒くて、しかも何故か週末に冬型が崩れ曇るというのが続いている。
この週末も土曜日の夜から曇ることが予報されていたので、金曜日の夜、通院から帰って久々に望遠鏡を出すことに。
横浜で撮影したオリオン星雲M42。
高橋MT160レデューサー付776mmF4.9、AZEQ6GT赤道儀
ニコンD810A 120秒、ISO200 12枚コンポジット+15秒、ISO400、18枚コンポジット
横浜の明るい空で撮影。撮影後、バックグラウンドの光害ムラが激しく均一に仕上げるのが無理だが、なんとか整えた。
どうだろうか、意外によく写っていると思っていただけるだろうか。
ところで筆者は「オートガイド撮影」に懐疑的な発言をしていた。
自分が仕事上で、超微動の1秒角だけ動かすのは大変なことだからだった。
しかし、ここのところオートガイド撮影が、大きく進化している。
ガイド用カメラの高感度化、高解像度化で、ガイド鏡筒が撮影鏡筒の1/10の焦点距離でも、1/10ピクセル単位で制御できるようになって、ポータブル赤道儀でもオートガイド撮影できるようになって来た。
ちょっとオートガイド撮影がどんなものか知っておく必要があって、はじめてオートガイド撮影を行なってみた。
MT160のガイドでもこんなに小さなガイド鏡でできる。これはボーグ50mmF5。カメラは惑星撮影に使っているASI224MC。
MT160の鏡筒バンドは当時ガイド撮影に使えるマルチプレートを奮発していたのだが、なんと30年も経ってはじめて本来の使い方ができた。
カメラはパソコンにUSB接続する。パソコンで画像処理をしてコマンドをカメラに返すのだが、アプリはありがたいことにフリーの「PHD2」。
まだ使い方がよくわからず、安定しないが、±2秒角に入っている。通常、赤道儀の精度ではむずかしい。
等倍で切り出した写真で、オートガイドの有無を比較。
赤道儀の自動追尾だけ。極軸合わせをわざと0.5度ほどずらしている。南中時なので南北方向に流れている。60秒露出。なお、星が二重に見えるのは、木造住宅のテラスなのでバスが通過時に床が揺れたから。
ちなみに、極軸を正確に合わせれば、1分程度の露光ならばノータッチガイドで十分である。
1分露光であれば、ピリオディックモーションは1/5-1/10程度になるので、この赤道儀でも±3秒程度に入るからだ。
はじめてオートガイド撮影。なんと星が円形運動している。
おそらく、キャリブレーション後、自分が動いたので星の追尾ができなくなったと思われる。
そこでオートガイド開始後は体を動かさないようにしてみた。
星が丸く写っている。
カメラと赤道儀は「ST-4」形式という、モジュラージャックでつなげている。これはリレーによるオンオフ制御だということだが、以外にうまく動く。
世界初のニコンオートガイダーも赤経方向だけだが、リレー制御だったということだ。
しかし、連続性が無くなった動き、例えば振動などがある、赤道儀にゴリ感があると復元できないので上記のようなエラーが起こると思われる。
初心者がオートガイド撮影を行うと何が難しいかを検証しようと思ってやってみたが、意外に簡単にできた。同時に意外に神経を使わなくては、エラーが修復できないこともわかった。
もう今年も一週間で終わります。
筆者にとって2017年はひどい年でした。
2018年は、自分にとってもみなさんにとっても、良い年になりますよう。