naka-maの心言・2

http://naka-ma.tea-nifty.com/butubutu/ 「naka-maの心言」続編です

コンピュータとApple-2(2000)

コンピュータとApple-2

(続)

マッキントッシュSEは、CPUがどうとか言う以前にやたら絵の多い白地の白黒画面が当時の他のコンピュータとは全く違うものだった。貧弱な絵(アイコン)であるが、それがファイルだったりハードディスクだったり見通しの良い構造のパソコンであることはよく分かった。(GUIという言葉は知らなかった)しかしそれでも僕は手を出さなかった。結局やれることはワープロなどにゲーム。ハイパーカードというHTMLの祖先のようなツールは、電動紙芝居を自分で作れる程度の理解だったが興味はあった。それにしても白黒の小さな画面では如何ともしがたい。しかも50万以上する。それでも随分安くなったとか。彼も僕と同じく趣味に生きようということか?かっこいいぞ、Y氏。(本人希望により追記)
が、このリンゴマークは頭に残った。

じつはこの頃(1990年頃)になると、パソコンを使って自分のやりたいことが出てきた。趣味である写真の整理とそれを利用した画像処理だ。業務用であるがパソコンで扱えるフィルムスキャナがニコンから出てきた。「フォトショップ」という画像ソフトも出てきた。いずれもマッキントッシュ用であり、しかもフルカラー1677万色も扱える。これは今まで暗室があっても難しかったカラープリント現像ができるかもしれないのだ。しかし、それでも当時は数百万もする夢物語であった。

マッキントッシュ2シリーズはそれまでのSEとかプラスというコンパクトなオールインワンではなく、普通のDOS系のパソコンのようにセパレート型であった。このシリーズは以降のマッキントッシュの標準になるのだが、ビデオカード次第でフルカラー環境になるので、カラーが欲しい人はそちらを選択するしかなかった。その中でも2cx、ciはコンパクトな筐体で他機種とは一線を画していた。本当はコンパクト一体型の方がデザインは良かったのだが。
1991年、アップルは低価格化路線をとり、クラッシック(コンパクトマックを低価格化した)を始め手頃な?(それでも30万以上)価格の新型が出て、旧型の価格がぐっと下がった。ディスコンとなった2cxの下落は激しく、100万が40万になった。数人がこれを購入し、見せてもらった。なかでも先述のSE所有氏のフルカラーグラフィック+ビデオキャプチャボードの入った2cxは僕にとって長年夢見た機能が入ったパソコンだった。会社で見る8色や16色の画面表示のパソコンではなく、これは「Mac」だった。
ついに僕はパソコンではなくマックを買うことになった。

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今向かっているマックは秋色をしたiMacである。コンパクトマックに対する羨望の思いはiMacが発表されたときによみがえったのである。世間ではiMacやCubeの華やかなCMとは裏腹にアップル株の暴落を始め、マッキントッシュの将来を危ぶむ声も多い。でも9年前、286CPU全盛の頃に、マックの世界ではすでに「Photoshop」があった。僕のなかではパソコンが必要なのではなく写真などの趣味を実現する道具、カメラのような、が必要なのであった。今ならWindowsでも「Photoshop」が動き、フィルムスキャナも付く。それどころか以前はマックが席巻していた音楽関係も含め遊びの機能も充実してきた。
道具だ、と言いながらこの9年間を思うと、DOSのころは仕事に使うパソコンだと言っておきながら、Windowsバキュームカーのようになんでも吸い込んで拡大してきたマイクロソフトよりも、早いうちから「遊び」も重視してきたアップルMacintoshの方に思い入れがある。しかしOSはウインドウズもマックも大きく切り替わる時期に来ている。一時期マックを作っていたソニーからバイオの新型が出たが、このようにもっと遊び道具としての機能を充実して欲しい。「遊び道具」「おもちゃ」は世の中でも最も優れた使いやすい道具である。仕事用だからと言っている道具にはろくなものがない。

ほら、結局パソコンの話にはならなかったでしょう。

2000年11月5日