naka-maの心言・2

http://naka-ma.tea-nifty.com/butubutu/ 「naka-maの心言」続編です

花柄iMac(2001)

花柄

初代iMacが誕生したのは、(日本では)1998年8月29日だった。

トランスルーセントと呼ばれる半透明の筐体は「アイス」と「ボンダイブルー」のツートンカラーで、注目を集めた。

しかし、iMacが話題になったのは、デザインだけでなく、性能に置いても、そのCPUに当時の上位機種に使われた「PoworPC750」(=G3)の233MHzを採用し、USB標準、15インチモニタ、24倍速CD-ROMなど機能的に優れたパソコンが斬新なコンパクトボディ(かつてのMacがそうだった)が178000円という、当時としては低価格で発売されたからである。

ボンダイブルーは深みのある青緑色で、部屋に置いたときのインテリア性も備えていた。

ストロベリー,ブルーベリー,タンジェリン,ライム,グレープ
次にいきなり5色の新iMacが出た。CPUのクロックは266MHzに上がったがそのことには全く触れない宣伝戦略が目新しかった。しかしボンダイブルーは僅か半年で姿を消した。5色のキャンディカラーは333MHz、400MHzDVDまで採用され続けた。その間、上位機種のグラファイトが追加され、姉妹機iBookもブルーベリー、タンジェリンが採用された。

2000年夏に出たのは、ほとんど仕様変更のない新色だった。これに先立ってiBookが仕様向上し、独自色キーライムを採用したが、iMacは地味な色になった。

ルビー,セージ,スノー
スノーってただの白と違うの?

そして2001年2月22日、幕張で発表になったのは・・・。

グラファイト,インディゴ

ぶちと花柄模様。

imac12

ブルーダルメシアン

imac13

フラワーパワー(似てない?)

iMacは、そのコンセプトが単純に便利で高性能が手間いらずで安価に、という部分が受けていると思うが、ここへきて日本では売り上げが激減しているらしい。その原因が色が飽きられたから、でないのだけは確かだと思う。iMacAppleの収益源なのだが、今年はプロ機種に注力するとJobs氏から宣言があった。・・・。

ところで

もともとこの半透明(今の機種はほとんど透明になっている)の艶面筐体を大量生産できるのは、日本でも限られたモールド屋さんしかなく、素材も耐候性、強度を両立させたうえ、透明で美しい着色ができるのは限られる。相当な技術開発を伴ったはずだ。生産性も決して良くなく、柔らかい透明艶有り筐体は、成形時、搬送時、組立時、流通時の取り扱いが難しい。コストに跳ね返るはずだ。

そして今度は、

柄模様だ。Appleのアナウンスでは、これは印刷やデカールではなく成型時につけたものだという。商品性はともかく、この技術力はすごい。成型方法がいまひとつはっきり判らないが、一般的な多色成形はゲートが多数必要で、その継ぎ目は安定しないので隠すようにする。さらに割れやすい。それに対し、この柄模様は安定的に柄を成形できる技術を誇示している。(売れ残ったスノーにフィルム転写印刷ではないかと疑っているが)
2/25、実際に製品を見てみると、透明樹脂の裏側(または中にサンドイッチ?)に柄模様が見える。パーツの端手前で柄はとぎれ、5ミリ程度透明になっている。組立時のかみ合わせ凹部もきれいに柄が逃げている。裏面印刷は一般にもよく使われ、表面はモールドの光沢で一様に仕上がり、印刷もはげない。しかし、このパーツは筐体背面のほとんどを占め、内側は180度以上回り込んだ曲面なので型はスライド型という、複数に分離して抜くものである。従ってこの内面に転写印刷するのは大変困難である。柄模様が荒いメッシュ状になっているのも何かヒントかも知れないが、今のところAppleのいう「印刷やデカールではない」という意味がよく分からない。

Appleはこの技術開発に18ヶ月要したという。めまぐるしいパソコン業界では異例の長期だ。今回の新iMacの筐体設計は全くこの一年来と変わっていない。噂では17インチモニタ搭載の新デザインと言うことだったが。もしかしたら、この柄成形技術を見せるためにあえて設計変更を先送りしたのではないかなどと疑ってしまう。(一応断っておくがこの技術はAppleのものではないはずだ)

今年はマックワールドエクスポには行けなかった。(八重洲までは行ったのですが)
来年こそは新製品で大賑わいのマックワールドエクスポに行こうと思う。

2001年2月24日 
25日書換追記(Appleのコメントを真に受けすぎ、おかしなことを書いてしまったため。店で見ると意外に花柄きれい;)