横浜戸塚近辺の旧東海道で、箱根に至るまでで最も標高の高い権太坂から境木、焼き餅坂、品濃坂までは東海道屈指の富士山展望地でありました。ここに長年育ったので富士山というものはどこでも見られるような気でいましたが、今の住まいからは簡単に見ることが出来ないので、たまに某会社の最上階から富士を見るとほっとします。
それはそれとして、風景写真としての富士山は、あまりにもありきたりなので逆に撮りづらいものです。
富士山周辺は富士箱根伊豆国立公園ですが、自衛隊演習場や工場、ゴルフ場など景勝地としての保全はほとんどされていないうえに、忍野村などの観光地でも観光客の増加に反比例するように景勝地が激減しています。上に出した以前お目にかけた茅葺き民家の写真は、1990年に撮ったものですが、今ではすぐ横に普通の建造物が建っており画になりません。
それでも、たまに富士山を見たくなるもので、先日、車中泊日帰りで山中湖、忍野へ行って来ました。日の出前に山中湖畔へ着くものの雲が多く富士が見えなかったのですが、日の出の頃になって朝日に染まった富士が姿を現しました。
この冬は、近年の中でも寒く雪も多い年ですので、山中湖も氷結が始まっていました。
18年前ワカサギ釣りに連れて行ってもらって以来久々に凍結した湖を見ました。
結局この日はこの後曇ってしまいました。
この写真はニコンF4で撮ったものです。氷点下の中で順調に動いてくれました。スポット測光で青空を計り、マニュアルで設定して、ケーブルレリーズで撮影しています。操作性、信頼性からいってもF4は良いカメラです。
間近に富士を見て、少し気持ちも晴れたような気がしました。
2001年2月20日