naka-maの心言・2

http://naka-ma.tea-nifty.com/butubutu/ 「naka-maの心言」続編です

”良い”家電(2002)

”良い”家電

先日、9月5日の朝日新聞夕刊1面に、なぜこんな記事が一面に?というか宣伝広告と一瞬間違えてしまった囲み記事があった。表題は「エアコンでウイルス撃退」「空気清浄中に不活性化効果」、なんと家電大手のシャープが学会で発表へ、というものだ。記事の内容は、シャープが00年に開発販売中の「プラズマクラスターイオン」=電極に高い電圧をかけ、空気中の水蒸気を”プラスイオン””マイナスイオン”に分解する、が従来から確認されているカビ菌だけでなく、インフルエンザウイルス、MRSA抗生物質の効かない黄色ブドウ球菌。院内感染で問題になっている)などにも”不活性化”の効果があることを(財)北里環境科学センターとの共同実験で確認された、というものだ。

(株)シャープのHP記事:http://www.sharp.co.jp/corporate/news/020905.html

この記事が、シャープの新型エアコン発表一週間前に行われたことからも、そのPR目的であることは当然で、自社製品の正当性を訴えるため、金をかけて科学的実証をするのは良いことだ。ただそれが朝日新聞の夕刊一面に載るのは、新聞社の姿勢に疑問を感じるが。
(シャープはエアコンの省エネ技術では他社に先駆けており、筆者も愛用しているが、今度のエアコンのような宣伝は気に入らない)

筆者のもう一方の見方では、北里大学の機関である研究所が学会発表すると言うことは、”マイナスイオン”に科学的検証がなされたと期待した。しかし、今回の発表はあくまで現象面での実験結果で、そのメカニズムは推測の域であるようだ。ちなみに上記のHP記事には”マイナスイオン”の文字はない。せめてもの良心か。

年始めにここでも書いたように、”マイナスイオン”という非科学的言い回しには筆者も反対である。しかし、科学的にもその原理、有効性が確認されれば我々消費者にとっても良いことだと思う。しかし、未だにその兆しはない。

この一件で見つけたHPを紹介しておく。(リンクフリーということなので)

市民のための環境学ガイド:http://plaza13.mbn.or.jp/~yasui_it/

こちらのHPは、どうも本来の目的からはずれて、オカルト的盲信を排除して詐欺行為を防ごうという項目が増えてしまったようであるが、それが面白い。
狂信集団に科学者が多いのは、面倒な科学的解明をするのに疲れて、「神」にすがろうとするからだから(昔は、地動説、進化論のように宗教と対立してでも真実を追究するのが科学者だったが)、健全な社会の維持のためにも、このような検証の積み重ねは必要だと思う。

このHPにも先の記事に対するコメントが出ていてるが、(シャープの人が、この人の研究室に説明に来ているようだ)副作用的に人体に有害ではないかとの懸念も出している。メカニズムの解明がされていないから出てくる懸念だからもっともだが、ちょっとコメントに違和感も持った。

筆者は技術者の端くれであるにもかかわらず、どうも情緒的な嫌いがあって、客観的に情報を分析する能力はもっと身に付けなくてはならないと意識している。しかし、シャープの空気清浄機を買ってしまった。MRSAに苦しめられた経験があるからなのだが、これを病院に持っていくのは憚られている。お宅の病院は危ないから持ってきたと思われても困るから。

早くこれが迷信ではなく科学的なものにしてもらわないと、「こんなものまた買って」と怒られてしまうのだ;)

2002.9.16