naka-maの心言・2

http://naka-ma.tea-nifty.com/butubutu/ 「naka-maの心言」続編です

デジタル・カメラの行方2

1.一眼レフファインダーの欠点

1-1.ファインダー像が小さい

以前、書いたように、カメラの歴史の中で、ファインダーの改良が大きなファクターを占めてきた事実がある。レンジファインダーから一眼レフファインダーに変わったことは、カメラの発達の歴史上、もっとも大きな転換だったようにも思う。これを進化というにはやや語弊があって、(これも以前書いたように)性能が向上した望遠レンズを使えるように、問題の多かった一眼レフの欠点を実用に耐えるようにした、と言ったほうが良い。

一眼レフの使用上の欠点は、シャッターを切った瞬間が見えない、ショックが大きいなど言い尽くされたことだが、デジタル一眼レフになって、新たな問題点が発生した。

まず、巷で取り上げられているのは、撮像素子が通常の35mmフィルムサイズより小さい(フルサイズの製品も出ているが)ため、ファインダー像が小さく見えることだ。
例えば筆者の使用しているFujiFinepixS2proの場合、ベースになっているNikonF80のファインダーの枠を小さくして、CCDサイズに合わせただけだ。この機種で考えてみる。

フィルムの真ん中だけ見えてあとはマスクされたと考えるとわかりやすい。標準レンズ50mmの画像はその2/3(APSサイズCCDの場合)しか見えないから、1.5倍の75mm相当の望遠レンズになる。ところがファインダーは枠をつけただけだから、倍率(望遠鏡と同じ概念。ファインダーの場合、理想は標準レンズをつけたときに1倍)は変わらない。
標準レンズ50mm相当のレンズは、
50/1.5=33.3mm
そのときの倍率はF80の倍率の1/1.5=0.67倍になる。
実際のF80の倍率は0.75倍だから0.75*0.67=0.5倍にしかならない。

えー、そんなに小さいんなら大きくしてよ、というあなた、正常な反応である。
ファインダー倍率などというものは、望遠鏡と同じで、接眼レンズさえ変えれば大きくなる。だったらやれよ、と言いたいが、メーカーに言わせれば、ファインダースクリーンの明るさやざらつきも見えにくくなって一筋縄には行かないんですよ、というが、本音は、開発費が膨大にかかるからやりたくない、というところだろう。
APSフィルムカメラがもっと普及していたら、それのファインダーを流用したら良かったのだが、とも言うだろうが、売れなかったものはしょうがない。
デジタル一眼レフカメラに賭けるのなら、それに見合ったファインダーが開発されてもおかしくは無いのだが、果たして・・?