naka-maの心言・2

http://naka-ma.tea-nifty.com/butubutu/ 「naka-maの心言」続編です

木星(3/24画像差し替え)

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ここひと月、週末は雪が降ったりして、不安定な天候だった。息子の卒園式も雨になったが、三月も彼岸になって三連休はやっと安定してきた。それでも晴れたり曇ったり、気温が上下したりで、すっきりしない。やっと連休最終日は暖かになったが、すると、史上最大級の花粉が飛ぶ。

天文ファンにとって、春はやはり天候不安定で困ったものだ。以前にも書いたように春に大彗星が来ることが多いので(根拠は無いが)、そんなときはやきもきする。しかしそんな季節でも、冬眠の熊のように、心待ちにするのが「惑星マニア」だ。同じ天文ファンでもこの人種は、気流が安定する季節が活動時期だ。日本では春から夏の時期に当たる。また、空気の澄んだ山間部より、よどんだ都会部の方が気流が落ち着くので、遠出しなくても良い。だから普通の天文ファンとは行動パターンが違うのである。

実は筆者もこの人種に近い。学生の頃は、毎晩のように木星のスケッチをとっていた。都会暮らしで、車も無く、カメラも無い子供は、惑星観測が天文入門の入り口だった。

しかし、現実には分解能勝負の惑星観測には大口径天体望遠鏡が欠かせない。筆者は8cmニュートン反射で始めたのだが、当時、子供用の望遠鏡は5〜6.5cm屈折望遠鏡が主流だったので、その中では8cmは大口径だったのと、色収差の無い反射式だったのが幸いした。というのも5cmでは惑星の表面模様はほとんど見えない。10cmが一通りの観測が出きる最低ラインだ。

天文少年もやがて大人になると、より大口径を求めるようになる。筆者は10cm,16cmと大きな望遠鏡になって行ったが、それ以上は車に積めないし、置き場所にも困るので二の足を踏んでいた。そこに先日書いたように25cmが来た。

この望遠鏡はシュミットカセグレン式で、収差ではニュートン式に劣り、大きなもの好きのアメリカ人仕様なのだが、ベランダサイズの最大口径にはこの方式が一番向いている。

やっと気流の安定した晩に当たり、はじめて16cmを越える分解能を堪能できた。日本のようなジェット気流の下では、大口径の実力が発揮できる日はごく少ないのだが、せっかく木星が見えるこの時期に合わせて入手した望遠鏡なのでその実力を出せるようにしてやろうと思う。