北鎌倉は寒空の中、観光客が多く来ていましたが、やはりすこし少ないか。円覚寺を総本山とする臨済宗円覚寺派の円覚寺、浄智寺、東慶寺を見てきました。
ところで、
曇りの日はどうしてもシャッター速度が遅くなりがちなので、絞りを開けたいところですが、レンズの解像度が低下する普及タイプズームでは最低ひと絞りは絞りたい。すると手ぶれがひどくなるので、手ぶれ補正レンズが有効です。(本来は三脚を使いたいが狭い境内では禁止されているし、使わないのがマナー)
今回、以前レポートした手ぶれ補正レンズ「ZoomNikkor AF-SVR ED24-120mmG」を使って思ったのですが、手ぶれ補正には少し撮影時の配慮が必要です。
以下の写真は、同じ被写体を同じシャッター速度1/30秒で撮影したものです。いずれも等倍で切り取っています。
最初に写したコマ。
シャッター半押しにして、撮影している。
次に写したコマ。
連写ではないが、続けざまに撮影。
24mmで撮っているので、腕の問題はさておき(広角レンズでもぶれる時はぶれるのです)、同じような姿勢で写しても、手ぶれの起きたコマと起きていないコマがあります。撮影時にも気になったので実験してみたのですが、ファインダーで見て、ふらつきが安定する1秒以上はシャッター半押しで待たないと手ぶれ補正はうまく機能しません。
このことは取り扱い説明書にも出ていることですが、いろいろなカタログや記事にもあまり出てきません。しかも撮影に熱中しているとこの1秒の半押しが待ちきれないのです。このレンズの評価がネットの中でも割れているのはこのこともあるのではないでしょうか。
1秒の間に加速度センサーのデータを収得積算して制御を安定させているはずですが、不安定な状態では、補正レンズのシフトが逆にぶれを引き起こしているように見えます。
さらに、手ぶれ補正の限界にも注意が必要です。撮影時のホールディングは、うまいへたもあり、そのときの撮影姿勢にも影響されるので、メーカーもどこまで手ぶれ補正できるかと言うことができません。だから、何分の1秒だから大丈夫という感覚がつかめないのです。
前者が1/8、後者が1/45のシャッター速度です。焦点距離は60mm近辺、いずれも等倍切り出しです。このように限界を越すと補正レンズが復帰するので二重にぶれたようになります。
次に花の写真では、接写レンズを使うことも多くなります。
接写レンズは複写にも使うので、解像力の高いレンズが多く、特にデジタルカメラではぼろがでないので最近評判が良いのですが、もともと銀塩フィルムで使う方が解像力は高かったので、いまさらなにを、と言う感じです。これは今までのフィルムカメラでの使われ方が、ほとんどの人がせいぜいキャビネサイズに引き伸ばして見る程度で、引き伸ばし機で投影した拡大像や、全紙サイズに引き伸ばしたプリントを見ることがないことを示しています。
ですがデジタル一眼レフカメラのお陰で、真面目にレンズを作ることが評価されるようになったのですから、実力のあるメーカーとしてはありがたいことです。何故なら良いレンズは値段も高いのです。
筆者の接写レンズは「MicroNikkor60mm」ですが、通常撮影でも高い解像力を示して気に入っています。しかし接写すると「被写界深度」が極端に浅くなるので注意が必要です。
これで写真全体です。かなり接写しています。
同じ写真の中央部をピクセル等倍で切り取りました。雄しべの先端にピントが来て、その根っこはぼけていることが分かるでしょう。これはマニュアルフォーカスで撮ったものです。オートフォーカスでも合うことがありますが、接写の場合特になかなか思ったところに合わないものです。
マニュアルで接写するにはカメラごと前後に動いて合わせます。息を停めてシャッターを押さないと自分が動いてしまってぼけたりブレたりするので大変です。
こんなことを試しながらじっくり北鎌倉の梅を見てきました。