naka-maの心言・2

http://naka-ma.tea-nifty.com/butubutu/ 「naka-maの心言」続編です

ぶれ補正レンズ(3)(2001)

ぶれ補正レンズ(3)

世界初の手ぶれ補正カメラニコンズーム700VRは、38-105ミリズームであった。このカメラはコンパクトカメラの範疇だが、コンパクトとは名ばかりの大きなカメラであった。ニコンではこれと相前後してニコンミニという当時世界最小のコンパクトカメラをリリースしているから、700VRが大きくなったのは手ぶれ補正のためと言えよう(本当?)
このカメラで注目すべきは、初心者向けのカメラにこの世界初の技術を投入したことである。初心者が使う上に、シャッターストロークが深いコンパクトカメラは手ぶれを起こしやすい。確かに手ぶれ補正の頻度は高い。しかし。売れなかった。

初心者ほど手ぶれを起こしやすいし、その危険性も知らない。しかし、「ピンぼけ」は知っていても「手ぶれ」は知らないのが初心者だ。手ぶれもピンぼけと思われている。だから一所懸命、手ぶれ補正しても何がどうなったのかが分からないのだ。

むしろ、「ぶれ」を認識し、最もそれを恐れるのは写真を引き伸ばす可能性のあるプロ、ハイアマチュアだ。商品企画としては、このユーザー層にターゲットを絞るしかないだろう。

このユーザー層は、しかし、ジャンルが多岐に渡るうえ、画質にこだわる集団である。手ぶれに対する訓練もされているのでそれを上回る手ぶれ補正能力が要求される。
ぶれ補正は画質の向上のために存在する価値があると思うべきだ。

これは、AE、AFが初心者を対象に技術向上し、最後にプロに使われるようになったのと対照的だ。

「手ぶれ補正」が画質の向上のためにあるのならば、それを組み込むレンズもとことん画質が追求されるべきだ。そこで先述の「レンズシフトによる画質低下」が気になる。これが杞憂であれば申し訳ないが、仮にそうであったとしても、「手ぶれ補正レンズ」は画質優先のレンズスペックでなくてはならない。
手ぶれ補正がないとして、画質優先のレンズというと何を思い浮かべるだろう。普通は値段の高いレンズ、開放絞りの明るいレンズ、超望遠レンズが思い浮かぶだろう。実際の手ぶれ補正レンズのラインナップを見てみよう。

キヤノンのISレンズ

・75-300/4-5.6
・28-135/3.5-5.6
・100-400/4.5-5.6L
・300/4L
・300/2.8L
・400/2.8L
・500/4L
・600/4L

ニコンVRレンズ

・ED80-400/4.5-5.6

前置きすると、本当に何も知らないから適当に言っているのだが、
ニコンは75-300、180/2.8、300/4は、他のレンズをDタイプにモデルチェンジする中、最後までモデルチェンジが遅れた。しかし300/4が超音波モータになったのは、VRレンズ発表後だった。また28-135のレンズはない。

この中で高画質レンズの印象があるのは、キヤノン単焦点レンズ各種。100-400、80-400ズームは高級タイプであるLまたはEDを冠しているが、4-5倍の高倍率ズームであって、一般にもこの種のレンズでは2-3倍ズームの80-200などのレンズに比べると低画質の印象は免れない。

(未完)

2001年1月21日