naka-maの心言・2

http://naka-ma.tea-nifty.com/butubutu/ 「naka-maの心言」続編です

木星5/17

この日は久々に5月らしい晴天に恵まれた。
ここ数年、5月の天気が安定しない。さらに星を見ると上空の気流が荒れているのが分かる。昔はこの時期が一番安定して、1980年ごろに書いた木星のスケッチも4−5月が多い。
真夏の方が気流が安定するが、暑過ぎて地熱の放射も大きく意外に良くない。しかし、今は夏の方が良いようだ。
さらに、望遠鏡の口径が大きくなるとその実力を発揮できる日数が減少する。日本の場合、ジェット気流の影響でゆらぎが5秒をきることはまず無い。しかし望遠鏡の分解能は1秒以下なので、本来なら実力は発揮できないのだが、ゆっくりゆらぐ場合は、その瞬間に見える模様を積み重ねれば良い。人間の肉眼観測は自然とそういうことが行われてきたが、写真では難しかった。それがデジタル写真でパソコンを使えば100枚、1000枚のコンポジットが自動で出来るようになった。しかし、統計学上、枚数の平方根に比例して画質が向上されるので、理屈で行けば多くの枚数が撮れるビデオの方がデジカメより優れている。
だが、動画はデジタル圧縮をどこかで行っているので、素子の持つ解像度は発揮できていない。さらにビデオカメラのレンズはデジカメのレンズより品質が劣るので、コンポジット法では不利だ。また画像エンジンと呼ばれる画像処理もひとコマ撮りのデジカメの方が優秀だ。筆者はそこを狙って、今主流のWebカメラに対抗してデジカメでやっているのだが、日本の気流ではやはり枚数を稼ぐ方が画質改善効果は大きいようだ。

もうひとつは手軽さだ。筆者のシステムはバードウオッチングではやっている「デジスコ」システム(地上望遠鏡にデジカメを付け、手軽に超望遠撮影が出来る)の天体望遠鏡への流用であるので、冷却CCDやWebカメラのようにパソコンでの制御はいらない。(その方が便利な場合もあるが)

いまの天体観測は趣味としては「化石」化してきており、一部のマニア以外敷居が高い。小学生から楽しめる趣味にもう一度戻したいという高邁な、しかし身の程知らずな希望を持っているのだが。

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