naka-maの心言・2

http://naka-ma.tea-nifty.com/butubutu/ 「naka-maの心言」続編です

はやぶさ快挙、超新星発見、木星異変

天文ネタが急に出てきた。

まずは、小惑星イトカワ」から帰還した探査機「はやぶさ」のカプセルからイトカワの微粒子が採取されていたことが判明した。
地球に帰還したカプセルが回収され、話題になったはやぶさプロジェクトだが、その中身は砂利と言えるほどの粒子は無く、期待薄だったが、0.01mm程度の粒子が数十個、さらに0.001mm台の粒子も回収すべく、「フッ素樹脂の特殊なへらで試料容器内部をこすり」回収に成功、電子顕微鏡で分析の結果、「約1500個の微粒子は、大半がかんらん石や輝石などの鉱物で、鉄の含有量が非常に多い」ことから事前に表面から分析した結果とも合致、イトカワのものと結論した、という。

マイクロメートルオーダーは、精密機械から見れば普通の世界だが、その大きさの粒子を回収というのは、一歩間違えれば紛失の可能性が高く、一見なんでもないようなことだが、「へら」でこすりとる、ということをしでかした技術者に拍手だ。理論だけで実務を伴わない学者ではないということが実証された。

先の、はやぶさ制御にイオンエンジンのカスケードによって急場をしのいだことといい、このへら回収といい、日本人として、技術屋として、この科学者に敬意を表したい。どこかの政治家が間違えた「柳腰」ではなくて、強靭でしなやかな「二枚腰」「ねばり腰」は本来日本人が得意としていた所ではなかったか。このしなやかさを、政治家にも求めたい。

ところで、はやぶさプロジェクトは素人政治家の「事業仕分け」によって窮地に立たされている。今回の発表は絶妙だったため、穿った見方もされているが、実際に小惑星の試料が入手できたことで、発展の可能性も出てきた。
で、この際だからもっと大きく出たらどうだろう。同じ探査機の繰り返しだけでは芸が無いので、その目的を大きく「地球防衛」にするのだ。映画でも知られるように、小惑星の地球衝突は過去にも繰り返されており、その際には多くの生命が失われることは必至だ。
そこで地球接近前に発見した小惑星を破壊する必要がある。実際にそのような小天体の探査は日々行われているのだが、実際に衝突の可能性があって、もしロケットミサイルで迎撃しても、それが確実に破壊できなくては、破片だけでも大きな損害が出ることは明らかだ。小天体の形状、組成から、有効な破壊シミュレーションが重要になる。
だからこのプロジェクトは地球を守るためのものだ、というのはどうだろう。
案外、科学者はもう考えていると思うが、政治家はだめかもね。

次に、超新星発見のニュース。これは仙台天文台の小石川正弘さんが11月6日にくじら座の銀河で発見したもの。仙台天文台は公開天文台で、一般研究用とは違う。木星観測で有名な小石川氏だが小惑星探査でも有名で、超新星発見は初めて、ということだ。氏とは夏にお会いしたきりなのだがお祝い申し上げます。

最後に木星
このブログでも再三紹介しているように今年の木星は例年と違って赤道の縞が一本しか無い。南赤道縞(SEB)が消えてしまったのだ。この現象は数年に一度あるのだが、今回は全く縞が見えなくなって久しく、どのように復活するか期待されていた。そのきざしが発見された。SEBの位置に白班が現れ、それが暗柱という黒い筋模様になってきた。このあと撹乱と呼ばれる、木星大気の大変動があって、赤道付近の模様がうじゃうじゃに混乱すると予想される。
初冬の大気がジェット気流により大分不安定になってきているので、詳細を見るのは難しいが珍しい現象なので是非見ておきたい。

この他にも日本人による彗星発見など、天文がらみで話題が目白押しだ。筆者もしょぼくれている場合ではない。