naka-maの心言・2

http://naka-ma.tea-nifty.com/butubutu/ 「naka-maの心言」続編です

木星2010年11月24日

このブログでも木星をよくお見せしているが、今、木星面では大きな変化が起きている。
それは「南赤道縞撹乱」という大変動が始まったということだ。

今年の木星は、赤道帯の南北に本来見えるはずの北赤道縞と南赤道縞のうち南側の縞が全く消えてしまっていたのだが、それがふたたび復活しようとしている。そのときに撹乱という大きな大気変動が見られる。その現象は数年おきに見られるのだが、かなり急激に起きるので、例えば合(大陽の方向にある状態)のときに起これば観測できないのだ。

今回はまだ木星は夕方の空高く見えているので、観測可能だ。その状況で撹乱が起きるのはめずらしいので、いろいろなところで話題になっている。
筆者もようやくそれを捉えたのでご覧ください。

木星
撮影日: 2010年11月24日20時52分(JST
露出時間: 動画約30秒(30フレーム/秒)
撮影場所: 横浜市
望遠鏡: セレストロンC11(28cmシュミットカセグレン)、高橋90S
カメラ: ニコンP4、MOV、デジタルズームx約1.2、ニコン アイピースNAV-10SW+EiC-16
画像処理:コンポジット(約1000枚コンポジット)、ラプラシアンフィルター=Keiths Image Stacker、最大エントロピー法、マルチバンドシャープ=ステライメージ5
シーイング 3/10、透明度3/5

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中央上にたなびくのが撹乱を引き起こしつつある白斑と暗斑から発達した黒い帯で、これが木星を一周した後、大赤斑の赤が流れ出して縞が赤くなり大赤斑は白くなる、というのが通例だ。そのときに大きく縞が乱れて見えるのが楽しみだが、これからシーイングの悪い季節。夏のようなディテールは望めないのが残念だ。