naka-maの心言・2

http://naka-ma.tea-nifty.com/butubutu/ 「naka-maの心言」続編です

ハイブリッドカーの燃費1

自動車もいよいよエンジン=動力がさまざまな選択肢の中からどこへ向かうか、という時代に入ってきました。

しかし、筆者が就職先を選ぶ頃、今から30年ほど前の話ですが、その頃にもうすでに石油危機により自動車会社はもうだめだ、なんて話がありました。これからは電気自動車だという話がすでに高まっていたのです。

その少し前は排気ガス規制でだめだ、と言われていましたが、日本のホンダCVCCを皮切りに排気ガス規制を乗り切ったあとの話でした。それでも自動車メーカー、特に日本のメーカーが先頭に立って低燃費技術を開発し、このときも乗り切って行きましたが、ここへきて、地球温暖化の根源として(諸説あるものの)二酸化炭素の増加が原因とされ、それを排出する悪役に自動車が槍玉に挙げられてしまうわけです。

就職して自分で自動車を買えるようになると、自然風景を愛するものとしては、いずれ出てくるであろう電気自動車を真っ先に買うつもりでいました。(まあ、これも電気発電の問題を考えれば単純なものでは有りませんが。)

この間、電気自動車は、アトラクションや車いすなどに使う近距離、低速技術として伸びてきましたが、まだまだ電気自動車は無理という機運だったわけです。それが温暖化対策を声高に言われだして、電気自動車の開発が進み、実用化段階にきました。

で、あらためて現在の電気自動車を筆者の目で見た時に、値段だけではなくて、とても買えるものではないと言わざるを得ません。

それは航続距離の問題です。100km走れたとしても、そこで充電時間が数時間、急速充電でも数十分(しかも満充電できない)、これでは自然風景、星を求めて遠出をするような趣味のための自動車にはなり得ないわけです。しかも命の危険にも関わります。

筆者なりに解決策を考えると、バッテリー交換式、燃料電池式など電源電池の革新が必要で、これは化学的開発を要するものであり、開発時間がとてもかかる可能性があります。

ということで、現実論として、二酸化炭素排出を減らすとか高邁な理由を付けること無く、ただ単に燃費の良い自動車を選ぶのが懸命である、と考え、市場に目を向ければハイブリッドカーがもっとも適当と考えるに至りました。

ハイブリッドカーは、すでに大衆車としてトヨタプリウスを皮切りにホンダインサイト、フィットが最多販売数車種を席巻しています。もはや完全にその地位を築いたと言えます。

ですが、機械工学科で熱力学や機構学を学んで来たものにとって、なぜハイブリッドが良いの?という素朴な疑問が生じていました。

自動車のエンジンは、内燃機関の中では、オットーサイクル、ディーゼルサイクル、その他(ミラーサイクル)のような吸排気を一サイクルの中で行います。現実的な圧縮比で原理的にすでに熱効率はオットーサイクルで45%程度、ディーゼルサイクルで55%以上とみられます。

エンジンは高温になりますから、溶融しないように水冷や空冷で冷やします。その分冷却損失がおこるわけで、それが30-45%と大きなものです。断熱材で高温に耐える材料さえ有れば、一気に燃費は良くなるのですが、現実にはそうはいきません。同様な形で排気損失として熱は失われ、それも30-35%ということです。これは理論的にこのサイクル運動をする限り避けられません。

他に、クランクシャフトによって直進運動から回転運動に変換する機構で損失する機械的損失は5-10%と意外に小さいです。

もろもろの損失の残りが効率となって、20%から良くて30%が運動エネルギーになります。

ハイブリッド・システムはあまり使われないシリーズ式をのぞいても、パラレル方式(ホンダ・IMAシステムなど)、スプリット方式(トヨタプリウスなど)いずれもエンジン出力の一部を発電機にまわして発電、蓄電またはモーター駆動となり、エンジンとモーターが協調して走行します。

発電機、モーターは当然効率がありますが、エンジンよりも良い80%程度と思われます。また回生ブレーキで減速エネルギーを電気エネルギーに変換して充電できます。

しかし、それもこれも大元はエンジン出力ですから、いくら電気エネルギーの変換効率が良くても、ロスは有るわけで、それならエンジン出力を全部動力にまわす方が良いはずです。それがエネルギー保存の法則のはずです。(ロスしたエネルギーは補えない)

変な話になってしまいましたが、以下次号;)