金環日食2012年5月21日ー雨のち曇りのち終わったら晴れ
いよいよ金環日食当日です。
ここ横浜戸塚は、朝5時すぎには小雨が降り出していました。それでもわずかに見える晴れ間に期待していると、いきなり豪雨となり、テラスに出しておいた赤道儀にかけたカバーだけではもたないと、雨傘を上にかけました。
日食開始時刻になっても雨が降り続いています。テレビでは各地の中継が始まり、予報に反して鹿児島や和歌山でも見えているようです。東京でもかなり明るい薄雲越しに見えています。それに比べて横浜南部は何だこの雲は、と思っても始まりません。長年天文ファンをやっていると自然を恨む気持ちは有りません。
すでに昨晩、行こうと思えば行けるのに、甲府や埼玉北部への移動をやらなかった時点でもう運を天に任せたのです。
家族もがっかりしていましたが、空が明るくなったのでテラスに出てみてもまだ小雨が降っていました。この時点で7時。北側や西側に雲の薄い所が見えますがここは上に黒い雲がかかったままです。それでも傘をさしながら太陽の方向を見ていると丁度その方向に明るい所が見え、欠けた太陽が見えました。急いで家族を呼び、カメラと太陽望遠鏡を外に出しました。
雲を通しての撮影開始。もう金環直前です。
ズームリングも300mmに合わせる間もなくあわてています。
ニコンD40、AF-Sニッコール70-300mm(220mm)、1/200秒、f8、D4.0(1/10000)NDフィルタ
7時32分(JST=カメラの時刻設定は30秒誤差)
金環日食が開始なのに雲が前を通過します。やっと捕らえた一枚。
ニコンD40、AF-Sニッコール70-300mm(220mm)、1/320秒、f5.6、D4.0(1/10000)NDフィルタ
7時34分(JST=カメラの時刻設定は30秒誤差)
雲が多いので、デンシティフィルタを外しました。雲越しに金環日食が良く見えます。
ニコンD40、AF-Sニッコール70-300mm(185mm)、1/2500秒、f5.6
7時35分(JST=カメラの時刻設定は30秒誤差)
太陽望遠鏡でも撮影しようと、土曜日に位置調整をしておいた赤道儀にセットしましたが、見えません。なぜだと思ってふと気付くと対物レンズキャップをしたまま!!。急いではずして構図もよく見ないまま慌てて撮影。しかし、快晴時にセットした露出では暗すぎ、急いで露出を替えた一駒。
雲越しにプロミネンスがなんとか写りました!これが撮りたかった。。
撮影条件:RAW、ISO400、1/20秒、PhotoshopCS5による画像処理
望遠鏡:「P.S.T」(口径40mm、Hα)、アトラクス赤道儀
カメラ:ニコンD7000、NAV-17.5SW+TSA-1+NSA-L1
7時36分(JST)
金環日食が丁度終了するときにぎりぎり間に合った。続けてベイリービーズ(月の凹凸で太陽が途切れて見えること)を狙ってすぐ一枚。自動追尾は雨で外しているのでクランプを手で緩めて撮影のため構図はむちゃくちゃ。トリミングしました。
肝心のベイリービーズは、、だめかな。
7時36分(JST)
Hαでプロミネンスや黒点が月の影から出て来る所も狙いでしたが、結局雲が取れません。そうだとPSTでも良く見えません。比較的見えたものがこれです。
8時09分(JST)
こうして日食が終わりました。その状況はこんな感じです。これでよく見えたものです。神様に感謝しなくてはなりませんね。
太陽が完全に戻った後晴れ間が広がりました。それでも金環日食が見えなかった場所よりははるかに良かったと思うことにしましょう。
しかし、これほど慌てた日食撮影は初めてです。武漢の時でもセッティングして雲が切れるのを待つだけでしたが、今回は雨のためセッティングできず、金環直前にセットしたのですから。
それでもプロミネンスを見せてくれた機材たちです。
今年は天文現象の当たり年です。今回の金環日食は都市圏の多くの人に天文に興味を持ってもらうきっかけになったでしょうか。6月にも金星日面通過などがありますので日食グラスは大事に置いておきましょう。