もう2月なので新年の挨拶はしません。というか年頭から新年らしいことが吹っ飛んでしまい、止まってました。
ところで今年は暖冬なんて予報は吹っ飛び、かなり寒いです。暖冬の時は雪が少ないから絵にならないとか、曇っていしまうからとか言っているくせに、真面目に星を見に行ったり写真を撮ったりすれば、良いのでしょうが、出不精になっています。
さて、家にいてもカメラをいじったり、調べたりしていると、以前からモヤモヤしていた最近のカメラの操作性のことが気になってきました。色々分析評論するためここから文体を変えてモードを切り替えます。
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ブログにしてからもう15年、それ以前ホームページに、カメラの行方と題して、以下のような雑言を書いていた。
「カメラの行方1」=オリンパスOM-1、2n、ニコンFE2、FM2
これを書いていた2000年頃は銀塩カメラ時代末期、オートフォーカスシステムが完全に席巻し、一眼レフカメラシステムが急速にデジタルカメラに移行し始めたときで、銀塩一眼レフのレンズシステムをうまくデジタルカメラシステムに使えるようにレンズ側を含めたシステム改築時期だったのかもしれない。
一方、カメラが完全にデジタルに移行して10年、一眼レフカメラがミラーレスカメラに変わろうとしており、コンパクトデジカメはスマートフォンカメラに淘汰されようとしている。残されたコンパクトカメラは、スマホでは飽き足らない層により高級路線に移行している。
今、デジカメ市場は、拡大期から縮小期に移行し、スマホ以上の写真が撮れる、所有価値のあるカメラが求められる変革期と考えられる。このように「ホンモノ」が求められる時代は、どのメーカーでも出せば製品が売れることはなくなり、しっかりと物作りをしているメーカーかどうかが問われる。
ユーザーも、初心者ではなく、より良い写真を撮りたいという目的意識を持ったマニア層が今までより主体なので、本気で写真を撮ったことのないサラリーマンが企画設計したようなものはすぐにバレてしまう。その事に気付かないメーカーは終わりだ。
デジカメは当初、パソコンへの入力機器の側面があって、新し物好きがホームページに載せる写真を撮って見せていたのだが、従来のカメラユーザーと違って写真を撮るのは手段でしかないので、押せば写り、手間隙かけずにネットにあげる用途が重要視された。おそらく過半数のユーザーがカメラ初心者だったであろうから、メーカーもそういう方向に走った。
写真を撮る行為は軽んじられ、撮影後のアートフィルター、露出やコントラスト調整だけでなく、顔認識により美肌やパッチリ目と言ったプリクラのような機能まで入った。
結局、このような機能はスマートフォンの方が優れているので、コンパクトデジカメは売れなくなった。
(それでもiPhoneのカメラでも画面の上下スワイプで、露出補正ができる。これ重要。)
最初の手間隙かけずにネットにあげる、という機能は報道などのプロカメラマン(と言っても大半はサラリーマンなので写真を撮る行為は好きではない)に必要な機能なので、その手の報道向けプロカメラ、ニコンD5、EOS-1Dなどは押せば写ることが優先されている。
しかし結局、従来の写真マニア、アマチュアカメラマンがユーザーのコアになる訳だが、心配なのはこの10年以上デジカメを作り売ってきたメーカーが、本当に写真を撮ることを考えて作ってくれるかということだ。
銀塩カメラを作っていたメーカーは、温故知新、昔のカメラを思い出せばいいのだが、ただそれだけではない。
ここでは、デジタルカメラに則した写真撮影のしやすい操作系は何なのか、考えてみたい。
順を追って、写真の撮影時に必要な操作を洗い出す。
1.撮影場所、時間に応じた感度、色温度の選択、連写、各種設定
フィルムの頃は予め銘柄と感度を選択し、カメラにはその感度を設定した。
デジカメになって撮影中でも自由に感度やホワイトバランスなどを変えられるのでありがたい。
しかもオート感度にすれば便利だ。
だが、ノイズが増えるのでオートを一時的に切ってカメラブレを抑えながら撮影したい時も多いが
これがメニューの奥にあって不便なことも多い。
2.露出モード、シャッター速度、絞りを撮影予想に合わせて概略セット
露出モードをプログラムにすると便利だが、初心者または報道カメラマンくらいで、
多くのアマチュアカメラマンは、絞り優先オート、シャッタ速度優先オートにする。
撮影結果を予想し、被写体の焦点深度と背景のボケ具合を調整するため、絞りを決定するのが絞り優先オート、
被写体の移動速度、ブレを抑えたい時のシャッタ速度優先オートである。
この時点では、概略の設定であり、後で微調整する。
3.撮影構図の決定、ピント合わせ
スマホ、デジカメでは背面液晶を見て、ということになるが、それで良いユーザーは今後はスマホになる。
今後あえてデジカメを使うユーザーは、ファインダーを覗いて撮影するのが主体として良い。
構図決定の作業中にピント合わせも行う。現在はシャッターボタン半押しでオートフォーカスさせるのが標準。
合わせてズームして構図を合わせる。ズームはコンデジだと右手人差し指でズームレバーを操作するのが多かったが、
一眼レフや高級デジカメではレンズ周りにあるズームリングで左手で操作する。
この時点から先は被写体を見ながらシャッターチャンスを伺う状態なので、シャッターボタンに右手人差し指をかけたままにしたい。
4.シャッター速度、絞りの微調整
最初の想定と被写体決定後には微妙にズレがあることは普通。最後の微調整を行う。
この時、右手人差し指はシャッターボタンにかかっているので、親指または左手の指で操作できるようにしたい。
5.撮影意図に合わせて露出補正
以前、オート露出が信用できなかったのとフィルム現像後しか露出の結果がわからなかったので、
露出補正を頻繁に使うのではなく、マニュアル露出に切り替えることが多かった。
現在はマルチパターン測光が優秀になったのと結果を見られるので、光の状態から若干の補正をしたい。
さらに、女性ユーザーが増え、ハイキー写真が好まれる傾向もあり、
逆にデジカメの特性からアンダー、ローキーでもシャドーが出せるので、思い切った露出補正をかけやすい。
このように露出補正は簡単に操作できることが以前よりも望まれる。
上記と同じく、右手人差し指はシャッターボタンにかかっているので、親指または左手の指で操作できるようにしたい。
6.最終ピント合わせ
オートフォーカスが多点測距になっているのでその選択と、それでも合わない時にはレンズのフォーカスリングを
回せば瞬時にマニュアルフォーカスに切り替わる機能が多くのカメラについている。
7.シャッターを切り撮影
3.からいきなりシャッターを切る人も多い。当然シャッターチャンスを捉えるためにそうしたいのだが、
写真を作品と考える人ほどこのあいだの作業を大事にする。さらにその間に被写体に集中したいので
ファインダーを覗きながらすべての操作を行いたい。
加えて不測の事態に備えて、シャッターボタンに指をかけたまま操作したい。露出の微調整よりも
シャッターチャンス優先なのは当然だからだ。
このように考える時、いろいろな操作を同列に考えては混乱するだけなので、シンプルにまとめていきたい。
上記に出てこなかった操作メニューは非常に多くあるが、この際、事前に設定することにする。最近の一眼レフやミラーレス機には、ユーザー設定を一括で記憶させ、呼び出せるユーザーモードを備える機種が多い。このユーザーモードを一発で呼び出せる機能も便利だ。
さて、上記操作を整理すると、以下のようになる。
A.シャッターボタンに指を掛けながらの作業
上記3〜7の操作である。
・ズーム
・絞り設定(絞り優先オート、マニュアル露出時)
・シャッター速度設定(シャッター速度優先オート、マニュアル露出時)
・露出補正(各オート露出時)
・フォーカス微調整
B.事前、事後作業
上記1,2さらに再生モニター確認時
・露出モード設定(P、S、A、M)
・ユーザーモード設定、呼び出し
・AFモード設定
・連写モード設定
・ホワイトバランス設定
・他各種設定
(次回に続く)