naka-maの心言・2

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フィルムスキャナ考-1(1999)

フィルムスキャナ考-1

表題から期待される程の知識はないが、ここ4年程フィルムスキャナを使ってみての感想みたいなものを書いてみましょう。
1.スキャナ導入までの変遷

’91年頃そもそも僕がMacを買った理由には今まで撮りためた写真の整理があった。だからこそ24ビットカラーがはじめから必要だったし、当時無料でもらえたPhotoshop1.5?デモ版をいち早くインストールしてみた。写真の取込みは最大の問題であったが、ビデオキャプチャーボードとフォトカメラ(タムロンでも出ていたが、ソニー製のフィルムコピースタンドに35万画素ビデオカメラを付けたようなもの)で可能となった。

だが、当時からフィルムスキャナに注目していて、’91年7月にメキシコで撮った皆既日食も将来的にスキャナで取り込んで合成することを前提に撮影した。内コロナと外コロナの光量差は10000倍以上あって通常1枚の写真では写らない。そこで段階露光して、階調圧縮、合成してしまおうという魂胆だ。それも当時100万円以上したNikon製フィルムスキャナを、Nikonショールームまで休暇を取って行って、そこで使わせてもらい、さらに昇華型プリンタで出力してもらった。これは「月刊天文」に記事として掲載された。(ホームページ「星の家頁」へどうぞ)当時は考えてはいてもできない人がほとんどで、実践して発表したのは僕が最初だと自負している。実際、最近の日食の写真はかなりがこの手法(もっと洗練されているが)を使っている。

その後、初のパーソナルユーススキャナがNikonCoolscanで25万したが手が出なかった。長女の写真をきれいに取り込みたくて;)買ったのが NikonCoolscan2であった。4年前で10万以上した。そして最近、報告したようにNikonLS-2000(Coolscan3の上位機種)を購入した。最近ではデジカメも200万画素以上でダイレクトにパソコンに取り込めるようになって、フィルムスキャナにどれ程投資する価値があるか疑問に思う向きもあろうが、僕なりに理由があっての買い換えであった。


2.画素数比較

さて、VS調に書くと面白いが、そうそううまくいきそうにないのでまあ単に比較と言うことで、いまデジタル画像を作るとしてどんな方法があるか、考えてみる。まず、いまはやりのデジカメ(デジタルスチルカメラ)は、つい3年前には35万画素が全盛であった。これは640x480ドット=約31万画素を生成した。それが昨年のメガピクセルでは130万画素で1350x900=約122万画素、最近の200万画素では1800x1200=約215万画素、来年は300万画素の声も聞こえる。

一方、僕が最初に採用したフォトカメラはビデオカメラと同じで約35万画素である。ただし、NTSCビデオ信号に変換した出力が、ビデオキャプチャカードでふたたびデジタル変換されるのでそのぶん差し引かなければならない。ちなみに初期の35万画素デジカメはビデオ用の転用が多く、正方画素でなかったので歪みの出るものもあったと言う。

ビデオカメラと言えば、今はデジタルビデオ全盛である。これは初期のものを除くとデジタル出力でき、IEEE1394FireWire)で直接パソコンに取り込める。デジカメとしては高価だがビデオカメラとして考えればデジカメ機能はおまけである。そして、僕が今注目しているものに、ソニーの100万画素デジタルビデオがある。これはビデオ性能は他と変わらないが、デジタルスチルカメラとして100万画素の性能と言う点が注目である。
フォトCDというものもある。大手の写真屋ならばネガ、ポジを持ち込めばCD-ROMにしてくれる。これは現像所が高性能スキャナで読み取ってくれるもので、フィルムスキャナの分類かも知れない。ただしプリント現像と同じくあくまで標準処理される。

スキャナと言えば普通はフラットベーススキャナである。たとえばサービス版(120x80ミリ)は600dpiでスキャンすれば約2800x1900=530万画素となる。最近は1200dpiもざらだから2000万画素、プリントサイズが大きければさらに増える。ただし基本的にはプリントなど紙媒体をスキャンするので、以前述べたようにすでにプリントは原版のデータ量を失っているので、それ以上になることはない。

そしてフィルムスキャナである。35ミリフィルムスキャナで2700dpiが標準である。約3750x2500=940万画素相当である。実際には僕自身は2700dpiでスキャンするとパソコンの処理やハードディスクの容量の限界から1350dpiでスキャンしてきた。最近ではその心配も少なくなったとは言え、枚数が増えればやはりいたい。1350dpiでは220万画素といったところか。

どうだろうか。単に画素数で比較した場合、フィルムスキャナより安いフラットベーススキャナの圧勝であり、僕の使い方では200万画素デジカメが追い付いている。画素数以外の要素が実は大きいことをお話したいのだが、後半にまわすとして、今回は画素数で話をまとめる。


3.画素数がすべて?

銀塩写真(いわゆる普通の写真)はフィルム上で何万画素になるのか?これは結構難しい問題で専門家でも意見が分かれる(それだけ要因が多い)が大雑把にいって35ミリ版で800万画素以上といわれる。これはどちらかというとレンズの解像度100本/ミリからきた数字で、さらにはプリントして対角の何倍だったかで離れて肉眼で見た時の分解能からきている(と思った、たしか)。ところが写真にも解像力以外にMTFなどの定義があって、これだけでは決まらない。とはいえ、画素数ではフィルムスキャナ最高解像度がほぼ必要十分で、600~1000万画素のデジカメであれば35ミリ版と同等である。

ここまで長く読んでいただいて、最後に落とすが、それで、画素数ってなんなんだろう。だって200万画素の画像をモニタ上に一度に表示できる人が何人いるだろうか。22インチ液晶でも入らない。結局写真をどうやってみるかなのだ。インクジェットプリンタで720dpiを生かすにはA4サイズで200万画素相当は必要である。最近は1440dpiだがA4にしたら1440dpiもいらない。あれははがきサイズの話だ。普通はそんなわけで、僕の結論は、モニタ画面で35万画素、A4プリンタで200万画素、そして・・・写真はやはり銀塩写真が当分は良さそう、ということである。
ちょっと最後が舌足らずでしたが、また次回;)>フィルムスキャナ考-2へ

1999年9月25日