naka-maの心言・2

http://naka-ma.tea-nifty.com/butubutu/ 「naka-maの心言」続編です

カメラのファインダー 1(2000)

カメラのファインダー 1

この時期、忘年会も多くなにかと慌ただしいですが皆さんいかがでしょう。僕もなんだかんだとありますが、例年この時期に大学で所属した写真部の写真展があって、同じくOB会もあるので、一年またはそれ以上会っていなかった人との再会(いま最下位って出たのが悲しい)が楽しみです。年々来る人も減って、僕と同年代の人は限られるようになってしまいました。

でも僕より3年上で某カメラメーカーのカメラ担当者にカメラのことでからむのも面白いです。しかし中でも濃いのは、ライカ、ローライを使う人でニコンもFMは持っているがそれ以外はカメラではないといっています。

僕の周りにも実はライカな人はいて、ハッセルブラッドと併せてそれ以外カメラではないという信念?があるので、どちらも使っていない人間にとっては話を聞くのもいい加減いやになる時もあるくらいうるさいです。

では何故ライカなのか。
そもそも35ミリフィルムは元々映画用フィルムでこれを小型スチルカメラ用に使ったのがライカで、今でもライカ判という人もいます・・・なんて話はするつもりもないしそんなことを知っていたところでなんなの?っていう方ですので、今回はカメラのファインダーの話でも。

カメラの種類も色々あるが、レンズ交換式のカメラと言えば一眼レフカメラ(a single‐lens reflex camera)とライカと最近ライカ互換のレトロ調カメラで有名なレンジファインダーカメラ=距離計連動カメラ(a range finder camera)などが上げられる。ところがこれらの名称はファインダー形式であって、従ってレンズ固定式の一眼レフやレンジファインダーも存在するのだが、ともかく代表的カメラ形式の名称がファインダーで定義されていることは案外見落とされている。そのくらいファインダーはカメラにとって重要な機構である。何故なら露出や焦点(ピント)は標準化自動化できても、ファインダーによって決まる構図は撮影者の意思を写真に込める最も基本的な部分だからである。ファインダーの見栄が写真を左右すると行っても過言ではない。

こんな話は簡単にしたいが歴史的に見ると、一眼レフカメラはカメラの創世記から存在する。が、それは今見られるような一眼レフではなく、フィルム面の手前に上45度方向へ反射するミラーがありその上にある磨りガラスでピントを合わせるウエストレベルと分類される、上から覗くタイプだった。撮影時には当然ミラーを跳ね上げるからファインダーは見えない。この頃の主流、暗幕をかぶり、磨りガラスとフィルムバックを交換して使うビューカメラなど今でも残っているが、この二つは

1.「ファインダーが(磨りガラスで)暗い」
2.「左右逆像(ビューカメラは上下も逆)である」
3.「絞るとファインダーが暗くなる」

という共通欠点を持っており、一眼レフは特に

4.「撮影時にファインダーが見えない」(ビューカメラもフィルムバックに交換するので見えない)
5.「撮影姿勢が悪い(猫背という意味ではなく;)」

などの欠点があった。いずれも被写体との違和感、撮影思考の中断を伴うものであり、フィルム感度が高まり、カメラに速写性が要求されるようになると大きな問題になった。

ここからカメラファインダーの改善が始まった。
最も単純なのが透過型ファインダーをビューカメラに付けたもので、現在のAFコンパクトカメラはすべてこの流れである。この透過型ファインダーには撮影範囲を示す「枠」がある。
さらにこれだけではピントが見えないので、レンジ(距離計)ファインダーを組み込んだ。これがレンジファインダーカメラだ。最初はファインダーが二眼、透過ファインダーとレンジファインダーが並んでいたのだが(ライカの初期はこれ)、すぐに一眼ファインダー、透過ファインダーの中央に距離計(二重像合致)を重ねて表示するタイプになった。レンジファインダーカメラの主流となって今も多くはこの形式である。これはすなわちライカの歴史でもあった。ちなみにライカはカメラ名であって、社名はライツだったが、いまでは社名もライカになって、測量機、顕微鏡などのEU光学会社グループになった。

以下次号?

この忙しい時期にこんなややこしいのを書き始めて後悔しているけど忙しいからやっちゃうんだよなあ。;) 年(世紀!)越さないように。

2000年12月24日