naka-maの心言・2

http://naka-ma.tea-nifty.com/butubutu/ 「naka-maの心言」続編です

月光終焉

ここでいう「月光」というのは、三菱製紙の白黒印画紙のことで、3月で生産終了になる。
白黒印画紙も銀塩を使うので、廃液処理の関係からいずれなくなる物であったが、ついに無くなると聞くと感慨深い。というのも「写真部」には「暗室」があって「引き伸ばし」ができる、そういう理由で写真部に入部する人は多く、筆者もその一人だった。そこで愛用していたのが「月光」だった。
当時、「月光VR3」というのが定番印画紙で、フジのに比べ少しだけ安かったのが、学生にはありがたかった。
白黒写真には色は無いと思われるかもしれないが、実際には真っ黒や真っ白という物は存在しないので、印画紙によって同じ写真でも印象が変わる。「月光」はその名の通り、月の陰のような「冷黒調」と呼ばれる物で、やや青っぽい黒が特徴だ。秋冬のような冷たい感じを出すので、自分の好みだった。
だが、この黒を出すのは、現像処理にこつが必要で、使い込んで慣れてこないとなかなか難しかった。しかし、そこが趣味の面白さで、うまいへたが微妙に出てくるところだった。
いま、デジタルカメラとプリンターで白黒印画紙の色を出すのは難しいと言われ、発展途上にある。昔はカラーフィルムや現像が高くて白黒で写真を始めたのだが、いまではカラーを白黒にするのに手間がかかり苦労する。
しかし、そこが趣味の面白いところかもしれない。デジカメであっても誰が撮っても同じではなく、さらにそれをプリントするのも経験差により全然違ってくるから。