naka-maの心言・2

http://naka-ma.tea-nifty.com/butubutu/ 「naka-maの心言」続編です

夏の天の川

大型連休が始まりましたが、経済低迷のみならず新型インフルエンザがフェーズ5ということで、冷や水がかけられたようですね。
当家では、数年前から家族そろって遠出をすることはなくなりました。子供も部活動で忙しく、予定が立てられない状況です。子供のうちから行動が制約されてしまうことはどうかと思うのですが、内申点にまで部活動が組み込まれているのが現実です。その上、脱ゆとり教育ですから、自由な時間は無くなる一方。この国はなんでも型に嵌めたがる特性がありますが、もっとほっといてやったほうが良いのではないでしょうか。

ということで、気ままな親父は相手にしてもらえず、ひとりででかけることにしました。といっても、車を使う用は連日あるので、早朝には帰宅しなくてはならず、すると夜のうちに星を見るというのは意外に都合が良かったりします。
いずれにせよ一晩だけの強行軍で行ける範囲でなくてはなりません。

昨年は戦場ヶ原へ行ったのですが、横浜からはさすがに遠く、朝帰ることはできません。いつもの富士山五合目は、除雪開通したばかりでまだ寒そうです。
そこで、伊豆にある天城高原へ出撃となりました。

筆者は天城高原で観測するのは初めてですが、行ったことはあります。ですがカントリークラブがどんつきなので、どこが駐車場か知りませんでした。
カントリークラブ入り口左に、天城山イカー用駐車場があります。ここが観測ポイントです。
新しい公衆トイレもありますし、舗装もきれいにされていますがそれほど大きなスペースではありません。
しかし、このタイヤの跡はなんとも。

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今年の連休は前半が好天だというのですが、快晴なのはいいものの、全体にもやっているような白っちゃけた空です。そのわりにはシーイングも悪く、土星も期待ほどではありませんでした。
上弦の月が沈んだ夜半から、星が見えだしましたが、近くにある物も見えるほどの明るさです。北から西側は熱海や沼津の明かりがひどいのですが、東から南は海ですから暗いはずです。でも、この日はもやのためか全体に明るく見えました。

しかし、夜半過ぎに、東の空に夏の天の川が上ってくると、意外に良く見えています。透明度がもっと良ければ相当良い空なのが判ります。

春なのに、夏の天の川?と思われるかもしれませんが、実は季節の星座は、薄明終了時の20時前後に見える星座をさすだけで、時間経過とともに星座の季節は巡り、夜半過ぎには次の季節の星座が上がって来ます。天体マニアは、気流の安定するこの時間帯を狙って写真を撮ることが多いのです。

筆者も(マニアではないものの;)、夏の星座を狙ってみました。
まずは、さそり座の中心、アンタレス付近です。
ここは、天の川から少し外れているのですが、薄い散光星雲が広がっており、写真でしか見られないカラフルな領域です。赤いアンタレスが黄色いガスにくるまれ、球状星団M4が彩りを添えています。


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例のポータブル赤道儀に、D300を搭載しました。
レンズはVRニッコール70-300/4.5-5.6で、100mm付近の開放絞りです。このレンズで星を撮ったのは初めてですが、開放から星像がシャープです。


この時期、天文薄明が午前3時ごろから始まります。帰宅も急がなくてはならないので、3時前に撤収しました。ポタ赤はそういうときに最後まで稼働できるので便利です。
昇る天の川を広角レンズ、ニッコール14-24/2.8で撮影しました。これも絞り開放です。ちなみにフォーカスがちょっとずれていますが、こうするとニコンD300の欠点である”星の偽色”が無くなります。レンズがシャープすぎてだめなのでしょうか。これでも普通の広角ズーム以上の写りです。

夏の天の川はいて座に銀河系の中心があるので明るいのですが、暗黒星雲が密集しているので複雑に入り組んでいます。これは目で見てもわかるので、ぜひ見てほしいものです。

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連休後半はおとなしくしてます。