台風が過ぎ去っていきました。横浜はそれほどの雨風ではありませんでしたが房総半島での被害は大きかったようです。茂原は仕事で何度か伺ったところですがご無事でしょうか。
本当に熱心な天文ファンなら、今太陽に接近中でイオンテールが伸びた西村彗星を撮影しに遠出するところでしょうが、台風やゲリラ雷雨があると言い訳して結局見ていません。惑星屋としては台風一過を期待したいところですが風は強いです。それにしても夜は涼しくなってきました。といっても熱帯夜ギリギリですが。
2023年9月9日 横浜市戸塚区
シーイング3-4/10、透明度3/5
望遠鏡: セレストロンC11(28cmシュミットカセグレンF10)、Skywatcher AZ-EQ6GT赤道儀
カメラ:ZWOASI662MC、UV/IRカットフィルター、ニコンEiC16=F36
キャプチャーソフト:FireCapture v2.7.1(Mac)
画像処理:AutoStakkert_3.0.14(Win)スタック、RegiStax(Win)による画像復元、De-rotation(WinJUPOS (Win))後, ステライメージ7(Win)モノクロ化画像を最大エントロピー法、シャープ、LRGB合成、フォトショップ(Mac)、色、レベル調整、スマートシャープ
土星の輪は衝効果もなくなっています。本体の影が画面左から右に移ったのもわかります。なお影の右に見える線は画像処理の影響で出た偽像です。
露出15msec、ゲイン500、約3000枚>50%約1500枚、x4セットディローテーション
22時16.0分(JST)
木星はまだ衝になっておらず、夜半でも高度が低いのでシーイングが悪い。RegiStaxの「Wavelet filter」を「Gaussian」にしています。
衛星イオが見えており、影が大赤斑の上を通過中です。
露出10msec、ゲイン400、約3000枚>50%約1500枚、x4セットディローテーション
22時49.3分(JST)
23時00.8分(JST)
23時15.2分(JST)
高度が上がってくるとシーイングが持ち直してきて、そうなると衛星の影の周りの縁取りが気になります。ステライメージの最大エントロピー法を使わずにいきなりシャープフィルターをかけてみたところ縁取りはわずかになりました。ただシャープフィルターで細くて白い縁が出てしまい、フォトショップでぼかして誤魔化しています。
イオの本体の方も影響を受けますが、こちらはシャープにくっきり見えるようになりました。
23時24.9分(JST)
23時33.5分(JST)
同じ画像素材を、Lynkeos(Mac)で処理して見ました。アプリの差もありますが、画像復元処理の強さに違いも大きいです。
23時53.0分(JST)
上2枚の素材を使ってDe-rotationをかけました。WinJUPOSの最新バージョンは衛星の動きも止めてくれるので、カラーカメラによる撮影にメリットが増しました。この画像では時間差のある2グループを合成したためか、衛星の縁が二箇所消え切らずに残っています。これもフォトショップで誤魔化しています。
23時43.3分(JST)
見た目のシーイングはかなり細かく揺らいでいますがそこそこの写りになったでしょうか。