naka-maの心言・2

http://naka-ma.tea-nifty.com/butubutu/ 「naka-maの心言」続編です

火星接近+異変(2001)

火星接近+異変

火星が南の空低くに見えています。6月22日に火星は準大接近をしました。火星はその公転軌道が楕円のため、地球に近づく「衝」のときにも、距離が相当違っています。2年2ヶ月に一回近づくのですが、次回2003年は理論上最接近の距離で近づく好条件でして、今回もまあ好条件になります。大接近は約15年毎に起こるのですが、前回1988年にはTP2415水素増感処理というフィルムで写したのですが、今回はデジカメで挑戦です。

梅雨時ということもあってなかなか透明度、シーイングが好条件での撮影は出来ていないのですが、そこそこ写っています。ところが7月に入ってから表面の模様が見えなくなりまして、気流のためかとも思ったのですが、どうもおかしいのです。ここまで模様が見えないのもめずらしい。インターネットなどで調べてみると、6/26頃発生した黄雲または砂嵐が火星全面を覆ってしまったのでした。以下の写真はそれを捉えたものです。

dscn1366s
火星接近中!

2001年6月26日23時06分



16cm反射+LV2.5mm+COOLPIX990(8.2mm) 1/2秒F2.5

この写真の左上が明るいのは南極冠なのですが、それだけではなくここから黄雲または砂嵐が発生したのです。ちょうど発生の瞬間の写真です。

DSCN1558s

2001年7月4日23時22分

16cm反射+LV2.5mm+COOLPIX990(10.2mm) 1/4秒F2.7

この前にも一回写真を撮ったのですがこの日は気流が悪く、そのために模様が見えないのだと思ったのですが、この日は中の下くらいの気流で、それでもここまで模様が見えないのは変だなと感じていました。それが実際に火星に異変が起きていたと言うことです。

実は僕が初めて火星大接近を見た1973年にも、この現象に遭遇していまして、今と違いそんなことは知らず、自分の望遠鏡では火星は見えないのだなあ、とがっかりしていました。今回もそうですが、初めて見る火星ならこののっぺらぼうでは失望してしまいます。しかし、非常に珍しい現象を見ているのですから、幸運とも言えるのですが。

 
DSCN1546s

7/4の月。

DSCN1590s

部分月食

2001年7月5日23時58分

16cm反射+Or25mm+COOLPIX990(9.9mm) 1/15秒F2.6

この写真はおなじみ、月食です。今回は部分月食でした。いつもなら皆既食でないものは見ないのですが、今回はこれを逃すと皆既月食は2007年8月まで、日本(特に東日本)では見られないので、無理してみました。月食って意外に珍しい現象なのですね。

以上、久々の天文ネタでした。

2001年7月7日、9日数字誤記訂正