火星と土星2016年6月10日
思わぬ梅雨の合間になりました。日中から気温が高く、晴天でした。www.windyty.comをこのところ参考にして上空の風を見ていますが、この日は神奈川県地方が無風地帯になる予報で、好シーイングが期待されました。
急いで帰宅して準備したのですが結果は全くダメでした。南の低空は太平洋上の空気ですが、ゆらゆら、メラメラと火星が揺らいでいました。
そんなでしたが、前回報告したように、どうも青色の写りが悪すぎるので、いろいろ原因を探りながらの撮影です。
具体的に考えついたところは、
・光軸の調整
・撮影光学系が長くて傾いでいるので、その原因究明
・拡大撮影を他の人と同じようにバーローレンズにする
というところです。
結果として、依然解決しきれていませんが、効果は出てきています。
特に光軸調整は、シュミカセでは重要で、敏感です。シーイングが悪い中でしたが、500倍で恒星の回折像を見ながら合わせました。副鏡調整ネジを15度程度回しながら見てみるとわずかにずれていました。この効果は大きいようです。
次に、撮影光学系が傾ぐので調べてみると、ビクセンフリップミラーの1+1/4インチスリーブの勘合がゆるく、ネジ一本では締めきれないので、ここは2点ネジのスリーブに交換、また、笠井の電動フォーカサードローチューブががたついており、これは外しました。クレイフォードフォーカサーのガタは調整できるので次回にやってみようと思います。
バローレンズは持っていないので、ニコンのEiC-16をカメラから離して約2倍になるように使ってみました。これはそれほど効果がなかったようです。
その結果ですが、火星に関してはB画像が良くなりましたが、大きく二重像が見えます。拡大法によってずれ方が逆ですが、なんなんでしょうか。
撮影場所: 横浜市
望遠鏡: セレストロンC11(28cmシュミットカセグレンF10)、ビクセンアトラクス
カメラ:ZWOASI224MC、(ニコン アイピースNAV-17.5SW+ニコンNSA-L1)=F30
画像処理:AutoStakkert2 コンポジット、Keiths Image Stackerラプラシアンフィルター各種強調、復元、フォトショップ
火星
2016年6月10日
シーイング 2/10、透明度3/5
画像処理:Lynkeos(Mac)コンポジット、各種強調、復元、フォトショップ
露出7msec.ゲイン350、3000枚>約3000枚コンポジット
21時54分11秒(JST)
B(青)画像
画像処理:AutoStakkert2 コンポジット、Keiths Image Stackerラプラシアンフィルター各種強調、復元、フォトショップ
露出7msec.ゲイン350、1500枚>約1500枚コンポジット
22時45分36秒(JST)
24時23分45秒(JST)
カメラ:ZWOASI224MC、(ニコン EiC-16)=F20?
R(赤)画像
B(青)画像
この日、火星に比べほとんど同じ高度にある土星の方がシーイングが良いという状況でした。どうも風の流れの境目があるようです。不思議にカッシーニ空隙が全周見えます。光軸修正の効果でしょう。
土星のB画像を見るとほぼ二重像がありません。ある程度良いシーイングであれば、今回の撮影方法で問題はないということでしょうか。。。
土星
シーイング 3/10、透明度3/5
画像処理:Lynkeos(Mac)コンポジット、各種強調、復元、フォトショップ
露出30msec.ゲイン400、3000枚>約2000枚コンポジット
23時39分43秒(JST)
R(赤)画像
B(青)画像
しかし、ひどいシーイングでした。再確認をしたいのですが、いつ晴れるでしょうか。