富士山御殿場口登山道新五合目「太郎坊」2017年7月20日
梅雨明け前から晴れて暑い日が続くと思ったら、急に大雨、ダウンバースト、大きな雹が降ったり、ひどい天気です。
今週は早めの夏休みでしたが、梅雨明けして、新月期になったというのになかなか天気予報が安定しません。迷った挙句富士山御殿場口新五号目、太郎坊へ行ってきました。
実は今回初めて、同じ会社の、濃い天体写真の名手に声をかけて一堂に会して星を見ることにしました。
観望派の天体観測ではいろいろなベテランが面白い対象を見せてくれるのですが、天体写真の場合、望遠鏡にはカメラが付いているので、観望することがありません。今回はそういう皆さんに生の星を見せて差し上げることにしました。いえ、実は透明度が今ひとつだったので鏡筒をシュミカセにしたままだったのですがね。
筆者の車と機材。まずは惑星を撮影するため、C11を搭載、後で直接焦点撮影用のMT160に載せ替えるつもりが結局このまま観望用望遠鏡になりました。
赤道儀の自動導入が未だに使い切れないのでその練習にも良かったです。ちなみにこの赤道儀、スカイウオッチャーAZ-EQ6にはダイレクト接続のエンコーダーがあるので、クランプを緩めても座標は維持されるので、アライメント時にもクランプを緩めて基準星を入れていましたが、この段階では通常の赤道儀と同じくモーター駆動で導入する必要があることがわかりました。
天気予報が雲の多い予報だったので期待していなかったのですが、夕方にかけて快晴になった太郎坊。
日が暮れたのでまずは木星観測。標高1400mでは気流が速いので駄目かと思いましたが、この日は安定したシーイングでした。ただ細い揺れがあって下界ほどではありませんでした。
土星も撮ったのですが、データ破損でボツ。
2017年7月20日
シーイング3/10、透明度3/5
望遠鏡: セレストロンC11(28cmシュミットカセグレンF10)、Skywatcher AZ-EQ6GT赤道儀
カメラ:ZWOASI224MC、(GSO ED3xバローレンズ)、ADC=F41
画像処理:AutoStakkert_3.0.14スタック、Lynkeos(Mac)各種強調、復元、フォトショップ、De-rotation(WinJUPOS)
木星
露出12msec.ゲイン約400、5000枚>75%約3500枚コンポジット
19時45分37秒(JST)
雲の流れる富士山。大したことなくてすみません。ですがぜひ高解像度1080でご覧ください。設定から変更できます。
比較明で作成した写真です。
狙っていたさそり座頭部は御殿場の光害と薄い靄で撃沈。これで写真は諦めました。
天頂に天の川が来る頃になるとかなり良い空になってきました。
この日、同行者が新しいニッコール105mmF1.4を貸してくれたので、それをテストしてみました。
白鳥座の尾付近。
NikonD810A、ニッコール105mmF1.4>f2.5
30秒、ISO1600、20枚スタック、自作ポータブル赤道儀
このレンズの収差を見てみます。等倍切り抜きです。
f2中心部
f2右隅部
3600万画素の切り抜きですからそれを考慮して見れば、非点収差があるものの十分小さく、像面湾曲が無いことは特筆すべきことです
f2.5中心部
f2.5右隅部
非点収差が小さくなり、ここまでコントラストを上げなければ点像と言って良い。
f2.8中心部
f2.8右隅部
f2.5と殆ど変わらない。これ以上絞るならこのレンズの意味が無いが、素晴らしい画質。
周辺減光がまだ大きいが、修正しやすい円形なので無理にフラット補正しなくても良さそうです。
白鳥座全景。
NikonD810A、ニッコール50mmF1.8>f2.5
30秒、ISO1600、20枚スタック
天体写真派の皆さんの工夫した機材やバイタリティ溢れる撮影には刺激を受ける事しきりです。
シュミカセでメシエ星雲を見せながら、天体機材談議に花が咲きます。
やがて金星に続き月が昇ってきました。
短い夏の夜が明けていく。
朝日を見て写メを撮る人、それを撮る人。
名残惜しんで帰宅途中、御殿場の田んぼに立ち寄りました。
かつて茅葺屋根だった農家。田んぼには青々と稲が育っています。