naka-maの心言・2

http://naka-ma.tea-nifty.com/butubutu/ 「naka-maの心言」続編です

理科「雲画像」

「雲画像の情報は、何から集めることができますか」
小学校五年生の子供が持ち帰った理科の業者テスト問題です。この答えを「気象えい星」と書いてばつをもらってきました。正解は「インターネット、テレビ、新聞」です。
実は設問の始めに「気象衛星の雲画像を見て、」という記述があるので、まあ、問題としてはそれ以外の答えを要求しているのだな、と想像できるのですが。
同じ間違いをした子供たちが先生に尋ねたところ、「気象衛星からは直接雲が像をもらえないから、どうやって雲画像を手に入れるか考えて」という指導だったようです。子供は納得しようとしていました。
さて、家内と筆者はこれについて「はて?」と思い、問題文を確認したのですが、上記の通りでした。
「わたしたちが雲画像を集めるにはどうすればよいですか。」というように主語がはっきりしていれば設問の意図通りでしょうが、もうひとつ、理科の問題としては、どうなのでしょうか。
実際、テスト問題は教科書に対応していて、教科書内では2ページにわたって、インターネットなどで雲画像を得て、パラパラマンガ風に新聞切り抜きや印刷した紙を束ねて、雲の動きを見る、なんてことが書いてあります。IT教育に対応した、無理矢理な内容ですね。
理科に関する学習指導要領には以下の記述があります。
「第4節 理 科
第1 目 標
自然に親しみ,見通しをもって観察,実験などを行い,問題解決の能力と自然を愛する心情を育てるとともに自然の事物・現象についての理解を図り,科学的な見方や考え方を養う。」
筆者は、事象の根源について探求するなら、先の答えは、二次利用の「マスコミ情報」ではなく、情報ソースである気象衛星にまで考えが及んだことを評価したいと思うのです。

親としては、子供には「気象衛星」で間違えではない、問題の答えは一つではない、と話しました。

しかし、筆者はそう言ったものの、子供の前だけで粋がっているようで釈然としないので、思い切って、テスト教材業者のホームページから上記内容の疑問を投げかけてみました。
すると思いがけず素早い回答がありました。

「この出題意図では、先生のおっしゃるとおり、「あなたが、雲情報を
集めるにはどのような方法がありますか。」とか、「〜何を調べるとわ
かりますか。」などとすべきかと反省しております。また、先生のご指
摘のとおり、「理科」として考えるなら、「気象衛星」からの情報を答
えさせる設問にするべきだったと思います。」

「迷惑をおかけいたしましたことを深くお詫び申し上げます。次年度用
からご指摘のとおり、訂正させたいただき、今後はかかることのなきよ
う、更に細心の注意を払い、出題内容を吟味して、お役に立つ教材編集
に心掛けて参りたいと存じますので、何卒お許しいただきますようお願
い申し上げます。」

あまりの低姿勢に(先生になっちゃってるし)、恐縮を通り越して、なにか穏便に済ましたい意図も感じるが;)ここは素直に、こちらの意見を汲み取ってもらえたと喜ぶことにしました。
そして子供にも安心してもう一つの答えもあって良いのだと話すことができました。
(途中から子供のためではなく自分のためにやっていましたが;)