naka-maの心言・2

http://naka-ma.tea-nifty.com/butubutu/ 「naka-maの心言」続編です

連休の星見 2019年5月3-4日

連休なのになかなか星を見に行くことができなくてうずうずしていました(笑)。

天気もなかなか安定しなくて、先述の南総旅行も雨になってしまいました。

連休後半は晴天が続くという予報に期待していましたが、近づくにつれて天気予報も一時雷雨とか、思いのほか強い寒気の影響が出てきたようです。

はじめは富士山と桜と星を狙っていたのですがなかなか天気予報が思わしくなく、比較的良さそうな北へ向かうことにして、秋にも訪れた妙義山の中之岳神社駐車場へ行くことにしました。

到着した夕刻には曇っていましたが次第に晴れるというGPV予報に期待して待っていると20時すぎくらいから晴れ間が広がってきました。

 

20190503_230930

 

ここは「さくらの里」が隣にあって多くの桜がありますが、この時期でも山桜、八重桜がまだ満開でした。

まずは、ポータブル赤道儀でガイド撮影して星を点に写してみました。

ただこうすると景色が回転してしまうので、風景だけ切り取って合成しています。

 

20190503p

 

これ、合成方法を変えると星の流れになります。同じ写真から作ったものです。

201905032h

今回、試してみたいことがあって、赤道儀のオートガイドと自動導入に加えて、撮影カメラの画像から、画像マッチングを用いて正確にアライメントを自動で行う機能「プレートソルビング」を試してみたかったのです。

機材はZWO社の「ASIAIR」という以前にも紹介したラズベリーパイという小型パソコンが入ったボックスです。

 

これにiPadWi-Fi接続してコントロールアプリで動かすものです。

カメラは最近ニコンD810Aなどの一眼レフ、ミラーレスカメラにも対応するようになりました。

試行錯誤しましたが、「プレートソルビング」はあっさり成功、正確な赤道儀のアライメントができるので、はじめのアライメント精度が悪くても自動導入で正確に天体が導入できます。地味に素晴らしい。今までカメラで試し撮りしては位置ズレを修正するという作業を何度か繰り返していたのが一発で、しかも手元のiPadでコントロールできます。

M81,M82

 

撮影日:2019年5月3日23時04分〜24分

撮影地:妙義山中之岳神社前
撮影機材:タカハシ16cmニュートン反射(MT160)+コレクター直焦点、焦点距離1330mm、Skywatcher AZ-EQ6GT赤道儀+ASIAIR
撮影データ:ニコンD810A、ISO1250、露出120秒、ASIAIRにFIT出力、10枚コンポジット、画像調整(ステライメージ、PhotoshopCC)、ノートリミング

M81822

M13

2019年5月4日01時21分

撮影データ:ニコンD810A、ISO1250、露出120秒、ASIAIRにFIT出力、1枚、画像調整(ステライメージ、PhotoshopCC)、ノートリミング

Light_m13_120sec_frame0003_2019050401205

 

と、うまく言ったように書いていますが、実はオートガイドがなんどやってもうまくいかず、ノータッチガイドなのです。同じガイドをパソコンのソフトでやったときは上手くいったのですが、なぜか今回はキャリブレーションが完了しません。ここは後日じっくり取り組みたいと思います。

こんなことで1時間以上費やしてしまったのでせっかくの晴天が無駄になってしまいましたが、午前2時以降、雲が広がってしまい、GPV予報と全く違って夜明けまで曇ってしまいました。明け方には南天の天の川を期待していたのですがまったく、、、疲れました。

 

20190504_082550

 

翌朝、雲が多いながらも好天になりました。桜と妙義山が綺麗に見えました。

 

5月6日追記

ASIAIRでオートガイドができなかった件、昨晩自宅でテストをして、原因がわかりました。

オートガイドのキャリブレーション途中で、十分なキャリブレーションによる移動量が取れなかった、とするメッセージが出て止まってしまう現象です。西→東までは動きましたが、→北で動かなくて止まってしまう状況でした。

ちなみに極軸も合わせ誤差があったためもあり、ピリオディックモーションを含む(短時間では影響は少ない)ノータッチガイドでの2分露光でのズレがこのくらいでした。(100%切り抜き)

Light_m82_120sec_frame0004_2019050323103

 

ネットで調べてみてもなかなか同じ現象が見当たりませんでした。

微小量をモーターで駆動するには、回転軸の静止トルクに打ち勝つだけの起動トルクが必要ですが、どうしても大きく動いてしまいます。

そのため、回転軸周りのバランスを正確に取ることが必要です。現地でもそれは十分配慮したつもりでしたが、問題はカメラに接続したUSBケーブルにありました。

今回はニュートン反射望遠鏡なので鏡筒先端側に一眼レフカメラをつけてバランスをとりましたが、そこに2mのUSBケーブルをつけてASIAIRに接続します。従来はカメラ単独で動かすのでこのケーブルは不要でしたが、今回初めてケーブルをつけたためあまり考えずに地面に垂らしていました。

これによりバランスが崩れて、南北方向=赤緯軸回転が動かなかったのです。

自宅で、これを改善するため、USBケーブルを鏡筒に巻きつけて、赤緯軸に沿ってASIAIRに接続するようにしたところ、キャリブレーションが動くようになりました。

自宅でオートガイドすると前の道の自動車の通過で床が揺れるので安定しませんが、1分露光でこんな感じ。

20190505_234408

 

んー、効果はあったのかな。

それに、ガイドセッティングの中で以下の数値が微妙に重要なのですが、

Https___astronomyimagingcamera_com_manua_1

なかなか最適値が見つかっていません。今回は上から250ms、250ms、300msにしてみたのですが、この数値は赤道儀の回転トルク、その変動やバックラッシュが影響しますので、ここに調整する必要があります。自分の赤道儀赤経軸はまあまあうまく動くので、エラーは2秒程度なのですが赤緯軸周りには問題があるようで、周期的に動きが悪くなっており、悪い時にはハンチングが起きて10秒以上の行ったり来たりエラーが起きています。

加えて必要なのがガイドカメラの露光時間ですが、0.5秒=500msにしました。キャリブレーションステップが250msなのに矛盾するようですがどうなのでしょう?

赤道儀のウオームギアそのものの調整が必要かもしれませんが、とりあえずASIAIRでの制御はできました、ということで、困っている方の参考になるかもしれませんので忘備録として残しておきます。