レオナード彗星(c/2021a1)が明け方の空で明るくなって、昨日はM3に接近した、ということですが筆者は先日の高橋90S+K-ASTEC製90S用2軸モータードライブMTS-3仕様がASIAIRproでうまく動作しないことが気になって遠征はせず、自宅で苦戦していました。
販売元のK-ASTEC川野様に問い合わせて、オートガイドケーブルで接続することを教えていただいたので、実践検討してみましたところうまく駆動しましたので覚書として記事にしておきます。
MTS-3SDIコントローラは背面にシリアルPCインターフェイスRS232C端子RJ11とパラレルオートガイドインターフェイス端子が並んでいます。
ASIAIRとの接続はシリアル接続RS232Cを使って、MTS-3付属のケーブルとASIAIR付属のRS232C-USB変換ケーブルを使って接続します。ASIアプリ上で望遠鏡は「LX200 classic」を選ぶのですが、これではオートガイダーのキャリブレーションが動きません。
そこで、オートガイドカメラとMTSをオートガイドケーブルで直接繋ぎ、望遠鏡は「OnCameraST-4」を選択します。
MTS-3正面のスライドスイッチは「OFF」「SLOW」にします。ただこのままでは動きません。まず「Mode」ボタンを2回押して「+RA」(ーでも良い)を押すことで恒星時駆動が始まります。ディスプレイのRA値が動かなくなることを確認します。
ASI224MCにUSBとオートガイドケーブルの二本をつないでいます。
ASIアプリのマウント設定は「OnCameraST-4」を選択。オートガイドのアイコンを押すとすぐにキャリブレーションに入ります。なおMST正面のスライドスイッチは「FAST」ですとコントローラボタンの動作は良いのですが、キャリブレーションでいきなり大きく動くので不適です。
高橋90Sの赤緯微動は扇形ウォームなので減速比が大きいため赤経より反応を大きくしました。
キャリブレーションが無事終わり、オートガイドのグラフを見て安定したら、望遠鏡マウントの設定を「LX200classic」に戻します。こうすることでキャリブレーションは維持されたまま、マウントのアプリからの動作ができるようになります。
ちなみに、90Sは赤緯部分微動なので、クランプを緩めて対象天体付近まで手動で合わせます。その上でASIアプリでプレビュー撮影しプレートソルビングをするとマウントのアライメントができます。そこから対象天体を検索して自動視準すると便利です。
その際、「StarsPhoto」を動かしたスマホをカメラ上に付けておくとほとんど視界の一部に対象天体が入っていますので大変便利でした。スマホセンサーの誤差はありますから試し撮りして構図を決める必要はありますが。
土日だったので遠征した方も多く、素晴らしい写真が多数アップされていますから、ここでは横浜の光害下でどこまで映るかということで。
前日まで接近していたM3は画面の中央上部であり、だいぶ離れてしまいました。尾はそれなりに写っています。
右下の線は自宅アンテナのサポートワイヤーです;)。
NikonD810A+SIGMA135mm/1.8Art
ISO1600、30秒、f2.5
高橋90S+K-ASTEC製90S用2軸モータードライブMTS-3仕様
同じ赤道儀で鏡筒をMT160+レデューサー(776mm)に変えてみました。写りは、、まあ置いておいて、オートガイドはこの焦点距離でも十分に機能しています。
2023.5.追記
上記のやり方で何度か撮影しましたが、ASIairがバージョンアップしてからなのか、うまくいかなくなっています。
現在は「OnCameraST-4」でオートガイドケーブル付きで使っています。
「LX200 classic」に切り替えると(切り替えもなかなか行えない)赤道儀のアライメントエラーが出るので肝心のプレートソルブが使えず意味がなくなりました。
オートガイド状況
「OnCameraST-4」でもプレートソルブできますから位置確認はできますが、自動導入はできません。